今日は20年に1度、つまり今から20年前と似たようなニュースが鳴り物入りで報道された。3種類の新しい紙幣が発行されたのである。1万円札の肖像画は、1984年長年親しんだ聖徳太子から母校慶應義塾の開祖・福沢諭吉に替わって40年が経過したが、本日明治時代に多くの代表的日本企業や国営企業の立ち上げに貢献した実業家・澁澤栄一にその座を譲った。5千円札は樋口一葉から津田梅子が、千円札は野口英世から北里柴三郎が後を継いだ。今やキャッシュレス時代と言われ、これからもその動きに拍車がかかるとされている。新紙幣には偽造防止を含め、各種対応できるコンテンツが挿入されているようだ。それが反って、自動販売機などでは、器械の取り換えに大分手間取り、費用もかかっているらしい。新紙幣に触れた際には今までとは異なる感触があり、今後キャッシュレスが進行するに連れ、複雑なコンテンツが入り、発行枚数自体は減っていくと考えられている。今回の新紙幣発行の一方で、ひとつだけ新しい紙幣に変更されなかった例外として、2千円札がある。流通枚数が少なく新札発行の必要性がないということのようだが、いつまで2千円札がこのまま市場で流通するのだろうか。
今日まで澁澤の故郷である埼玉県深谷市では、故郷の英雄とばかりいろいろ祝典や、趣向を凝らして盛り上がっているようで、それはそれで結構だと思う。だが、澁澤が新1万円札の肖像となることには少々抵抗がある。それは、実業家としての業績や、政府役人としての活動は文句なしに高い評価を受け、実績自体は称賛されるにせよ、並外れたふしだらな私生活は、最高紙幣の肖像となる人物としては、相応しくないのではないかと気になっている。子どもたちが、その乱れた女性関係を知ったら失望し、とても尊敬しないだろうし、疑問を感じるのではないだろうか。何人もの妻を持ち、その上に多くの妾を囲い、常に「妻妾同居」が当たり前で、産ませた子どもの数も20数人と言われ、80歳代になっても外に子どもを孕ませたという。果たしてこういう人物が1万円札の肖像として適当だろうか。新1万円札の顔として、澁澤を推薦した人たちは、何故に人間として甲乙半ばする澁澤を選んだのだろうか。他にいくらでも真っ当な私生活を送りながら国のために貢献した人物はいるのではないだろうか。彼らは経済界だけに道を開いたことを評価して、私生活面に目をつぶり、澁澤を1万円男に選んだとすれば、不条理であり、大きな手落ちだったと思う。これから先後期高齢者である我々には、死ぬまで新1万円札を支払うたびに女たらしの澁澤の顔を見続けるのかと思うと、どうもすっきりした気持ちになれない。
さて、今日は歯の治療のため、3度目の歯科通いで漸く落ち着き、今日で終わりとなった。その足で東京都知事選の期日前投票のため投票所へ行き、清き1票を投じて来た。普通の投票日は7日であるが、生憎当日に予定があり、投票し損なう恐れもあったので、初めて世田谷区役所玉川総合支所内投票所で期日前投票なるものを済ませた。いつもの小学校内の投票所に比べ、空いていて落ち着いた雰囲気の中でしっかり候補者の名前を書き込んでお役目を済ませた。東京都民としての権利を行使して、一先ずホッとしたところである。
そして、帰宅したところ数日前から体調が芳しくないと言っていた妻が、この間に近くの内科医院で診てもらい、検査の結果、何と「新型コロナ・ウィルス」感染と診断されて打ちひしがれていた。私も服用薬の件で、他のクリニックへ連絡する必要があったので、その旨を看護師さんへ話して、妻と2人だけの家族の中で私が気を付けるべきことをお尋ねしたところ、出来るだけ部屋を別にして、あまり近づかないこと、マスクは着用した方が良い、手洗いはマメにやって下さいとアドバイスをいただいた。これから数日間は窮屈で憂鬱な生活になると覚悟しなければいけない。
それにしても外は暑かった。東京都内には熱中症警戒アラートが発令された。都内の最高気温は33℃だったが、全国的には高知県四万十市江川埼の37.1℃が最高だった。これから夏本番を迎えるに当たって覚悟しなければいけない。