6156.2024年6月29日(土) 選挙は民主的に実施されるだろうか?

 アメリカ大統領選の候補者2人によるTV討論が終わったばかりだが、相手候補を口汚く罵り相手を傷つけようとする選挙戦には、聊か呆れ果てどうでもしなさいという気持ちになる。しかし、当選者が世界で一番強大な国の最高権力者になるだけに、同盟国である日本のみならず世界の国々へ多大な影響を及ぼす。特に昨日改めて指摘された「高齢」や「老化現象」について、タフな大統領職には、心身共にエネルギーが欠かせないことは当然である。ある程度若くなくては重圧に耐えきれないのではないかと懸念されていた。それが、81歳と78歳の決戦となったのだから、普段の言動からやや危なっかしい印象を受けている。特にバイデン大統領の場合は、尋ねられても直ぐ言葉が思い出せなかったり、言葉を間違えたり、多少認知症的でこんな姿勢で世界の人びとを納得させることが出来るだろうか。

 流石に堪りかねたか、討論会後にニューヨーク・タイムズ紙は、バイデン氏は高齢による衰えを自ら認め、トランプ氏に勝つために自分より有能な人物を民主党候補に選ぶ手続きを進めるべきだとして大統領選からの撤退を求める社説を公表した。

 さて、イランでは先日航空機事故により亡くなったライシ大統領の後任を決める総選挙の投票が昨日実施された。反米的なイランの発言は少なからず国際社会で注目されるだけに、イラン大統領選は関心を呼んでいる。80人を超える立候補希望者がいたが、意図的な事前審査とやらで危険人物と見做された候補者はふるいにかけられ、3人の候補者に絞られた。保守派、改革派のうち誰が勝とうとも過半数を得なければ、来月5日に上位2人による決選投票が行われる。大統領に誰が選ばれようと、この国の実権を握っているのは、ハメネイ最高指導者であり、イランの運命と戦略は結局のところハメネイ師に託される。

 その他にモンゴルでも総選挙の投票が行われたし、明日はフランスで国民投票が行われる。民主的か否か分からないところもあるが、中国や北朝鮮のように言論の自由を抑圧し、選挙を全く実施しない国に比べればよほど良い。

 一方、日本国内でも今日で在職1000日を迎えた岸田首相の支持率は下がる中で、自民党内の水面下では、次の総裁選挙の動きや、総選挙を考えている党員もいるようだ。それでも今は首都東京の知事選が全国的にも注視されている。だが、それもいろいろ騒がれて56人も立候補者がいる中で、知事選の主題から離れた話題が取り沙汰されている状態である。元々40人分しかない掲示スペースを売買の対象にしたり、公職選挙法に抵触しない範囲内で、自由気ままな表現を争ったり、選挙を売名、商売に利用しようとしている生臭い空気もある。

 ところが、都知事選では40人分のポスター掲示スペースしかなく、心配されていたが、実際にポスターが貼られているのは、自宅近くの世田谷区内の看板には10枚、目黒区内では、まだ13枚しか貼られていない。候補者は一番手身近な自己PRはポスターだと思うが、それが充分活用されていない。ほぼ全裸の女性が写ったポスターを貼ったと候補者が都迷惑防止条例違反や、風俗店のポスターを貼ったと政治団体の党首が、風俗営業法違反で警告されるような体たらくである。また、ポスターを破ったり、落書きしたとして公職選挙法違反や、器物損壊などの容疑で逮捕された事務所もある。立候補者の中から都知事選とは関係なく逮捕者を出すような乱れた選挙でもある。これでは真面目に都知事としての公約を主張している数少ない候補者と、ふざけ半分の候補者の選挙である。随分無駄にお金と時間を使っている。

 誰もが納得するような民主的な選挙というのは、実施するのはどこでも難しいものなのであろうか。

2024年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com