今日は、沖縄「慰霊の日」である。1945年の今日沖縄戦で日本軍の戦闘が終わったとされている日である。実際には、まだ敗戦を認めようとしなかった日本兵が、局地的な戦闘を続けて、アメリカ軍が沖縄作戦終結を宣言したのは、同年7月2日とされている。毎年摩文仁の丘で行われる沖縄全戦没者追悼式には、デニー玉城知事が平和宣言を読み上げると同時に、沖縄の駐留自衛隊が権限を拡大しつつあることに懸念を表明した。岸田首相は3年連続で出席し、戦没者に対して哀悼の言葉を捧げた。沖縄で命を落とした人は、今日追加された犠牲者を含めて、24万2225人になった。戦没者は当然沖縄県民が9万4千人で一番多いが、意外にもその次に多いのが、北海道出身者で1万807人だという。沖縄駐在の第24師団に北海道出身者が多かったことが原因であるが、第24師団は満州で編成され、44年に沖縄に移動して翌年アメリカ軍の上陸によって戦闘に巻き込まれたことが大きいようである。
ウクライナ、パレスチナに続き、フィリピン近海の中国の海洋進出に伴う領有権争いなど地球上にはそこかしこで国家間の争いが絶えない。沖縄の残酷な戦闘は、2度と戦争は繰り返さないと国民に誓わせたが、時間と距離が遠くなれば、これは忘れられ実感としてはあまり人々の心に響かないのだろうか。
私が沖縄の戦争とその惨禍について強く関心を抱くのは、1972年の沖縄本土復帰運動に多少関わったことが大きいが、何よりも戦争の怖さを実感として知っているからである。ちょうど終戦の年に、国民学校(現小学校)に入学し、防空壕で怯えたり、校外で突然米軍戦闘機編隊に襲撃されそうになったが、先頭の隊長機が不意に機首を上げ編隊すべてが上空へ飛び去って行った怖い経験、そしてベトナム戦争時にサイゴンで米兵に銃を向けられたり、第三次中東戦争ではヨルダン軍兵士に身柄を拘束された苦い経験など、がトラウマとなっているからである。その点では国会議員の誰にも負けない。
さて、懸案の東京都知事選も盛り上がるかと思いきや、どうも論戦以外の手続きなどで、一部の候補者の好い加減さが表れ始めている。56人が立候補したが、ポスター掲示板にはまだ9枚しかポスターが貼られていない有様である。
今日都知事選の選挙公報が配布された。各候補者の公約が紹介されているが、19人の「NHKから国民を守る党」(N国)候補者の紹介はそれぞれ半分以上のスペースは「NHKに受信料を支払う人は馬鹿だと思います」と主張する立花孝志・党首の主張と写真である。これが19/56枚も出て来るので、一番目立つのが、N国であり、その党首・立花孝志である。これでは一部にハイジャックされたと揶揄されるのも当然である。他に名乗られた所属政党も在日特権を認めないと外国人生活保護即時廃止を訴える「日本第一党」、「未来党」「つばさの党」「忠臣蔵義士新党」「ゴルフ党」「ネオ幕府アキノリ党」「シン独立党」「核融合党」「創価学会撲滅党」「覇王党」「ポーカー党」など、呆れるような党名ばかりである。「ゴルフ党」の主張なんか「金持ち優遇で都民を豊かに」なんて言っているが、どうやって実現するのか、馬鹿々々しくなる。令和の大奥制度と言い「一夫多妻制」を勧めるジョーカー議員と自称する男性候補者や、税金を原則として廃止のような非現実的な案を訴える候補者など、おふざけが度を越しているように思える。4人の主たる候補者の公約は、流石に彼らの突出してふざけた公約とは違い、概ね真面目な公約である。ただ、田母神俊雄・元航空幕僚長の教育勅語賛成や修身授業復活なぞは、やはり右翼的な「軍人」を想像させるようでとても納得出来ない。
ちょっと気になっていた小池知事のカイロ大卆?学歴は記載されていなかった。他の候補者がきちんと表記しているのにやはり学歴詐称と言われているのは、知事にとって疚しいと自認しているのだろう。これについては、地検に告発されているので、当選するか否かに拘わらず、いずれ問題になるだろう。近年にないほど平均点の低い選挙になりそうだ。