6143.2024年6月16日(日) AI技術の進歩、発展、普遍性、利用に賛否

 今日は6月第3日曜日で「父の日」である。昨日横浜市内に住む息子がお祝いのお菓子をプレゼントしてくれた。5月の「母の日」に比べて、「父の日」はやや影が薄い。日本では1950年ごろから「父の日」が根付いたという。こう言っては身も蓋もないが、普段健康であれば由しとしているので、今更「父の日」と言っても取り立ててお祝いするようなこともない。

 さて、イタリアの南部プーリア州で開催されていた主要7か国首脳会議(G7サミット)が一昨日終わった。寡聞にしてG7が開催されたプーリア州という地方は知らなかった。それが、トゥルッリと呼ぶ円錐形の屋根のある小さな白い家が立ち並び、日本の世界遺産・白川郷とも姉妹都市である、世界遺産のアルベロベッロのある地方だとは初めて知った。

 会議には、ウクライナのゼレンスキー大統領と、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が特別に出席した。今回はロシアの凍結資産の運用益をウクライナへの支援に充てること、中国が補助金措置により国内の電気自動車の過剰生産となり欧米が懸念を強めていること、AIの利用に関する問題点、バイデン大統領のガザ地区停戦案の支持、等々が話し合われた。中でもAIについては、特別に出席したフランシスコ教皇が、新たな社会システムの創造につながる真の産業革命と評価する一方で、先進国と途上国の間で不公平を生む可能性があると懸念を表明し、そのためには政治がAI存在の条件を作る必要があり、同時にAIを規制する必要があるとも訴えた。実際教皇の写真を使ってAIで偽のフェイクである画像がネット上に拡散して教皇自身もAI悪用の被害を被っている。

 敢えて教皇が出席することまでしてAIの効用とマイナス面をアピールするほどまでに、AIの存在がクローズアップされていることには、驚くばかりである。しかし、最近身近でも、例えば言葉が思い出せない時、いくつかの分かり易い表現をPCに打ち込むと目的の言葉を探すことが出来て、便利なことは間違いない。それが、車の自動運転装置に利用されたり、人間ロボットに活用されたり、社会生活上にもプラス面が現れている。問題はAIが悪用されるケースである。件数も多くなり、マイナス面による被害が拡大すれば、事態をこのまま見過ごしているわけには行かない。

 昨日小池東京都知事が、ニュース・キャスター風の装いで「AIゆりこ」というAI画像に登場し、政治活動の一環として開発、運用したと実際の画像を初めて公開した。税金で作成したとの批判を避けるために、冒頭から税金を使用していないと断ったうえで、かつてのニュース・キャスターらしく喋っているが、音声は知事に似てはいるが合成音声で、一部には早くも不気味とか、気持ち悪いとの否定的な声が聞かれる。

 実は、このAIについては、私自身もその影響を受けるようになるかも知れない。プラス面か、マイナス面かは、現時点では定かではないが、それは拙著に関することである。

 先日ある出版社から3年前に上梓した拙著「八十冒険爺の言いたい放題」がアメリカ人読者からアメリカ人に読んでもらっても面白く、興味を示すのではないかとの声を聞き、拙著の英語版を出版して見たいとの申し出をいただいた。咄嗟にYesとも、Noとも言えず、英訳はどうするのかと尋ねたところ、AIですべて英文にして、それを英文の専門家が見直した後で、最終的に私なりの臨場感の籠った実感が表現されているか、はたまた固有名詞が正しいものかどうかをチェックするという話だった。これが一冊の英語翻訳版となって世間へ出回るかどうかは現在不明だが、個人的には若干興味がある。

 思い起こせば、終戦時に国民学校へ入学して算数の足し算・引き算はすべてノートに書いて学び、小学上級生になるころにソロバンを使ったものだが、61年前に社会人となった時は、まだソロバンを使用し、それがあっという間にコンピューターに代替えされ、今ではAIというとんでもなく発展した計算テクニックに替わってしまった。今第三者的な視点から見てみるとAIの技術、知識、世界がこんなところまで発展してしまったのかと思うと、あまりの変化、発展に言うべき言葉もないほど時代を感じ、少なからず衝撃的である。

2024年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com