6140.2024年6月13日(木) ジェンダーギャップ、日本は118位

 来月26日にパリ・オリンピック開会式が行われる予定であるが、このパリ大会は、これまでの大会と大分様子が異なり、開会式をスタジアムで行わず、セーヌ河上で行うという極めてユニークな運営実施になる。パリ近郊の有名な観光施設でもいくつかの種目が行われる。マクロン大統領やパリ市長も大いに期待しているが、生憎先日行われたEUヨーロッパ議会選で自らが率いる「再生」の中道政党同盟が、大きく議席数を減らしマクロン大統領は、フランス議会を解散し大会の直前に総選挙を実施すると語った。IOC組織委員会も対策と準備に大わらわのことであろう。

 そんな関係者が戸惑っている時、9日に馬術と近代五種の庭園会場であるフランス絶対王制時代の歴史的建造物にして、フランスで初めての世界遺産に登録された由緒あるヴェルサイユ宮殿で出火騒ぎがあった。

 そうかと思うと、パレスチナがガザ地区戦闘の影響により、300人の出場予定の選手や審判員などが殺害され、出場出来なくなり、パレスチナとしては出場出来るのは数名だという。

 開会式では恒例により、前回開催都市・東京都知事からパリ市長へ五輪旗を手渡す予定であるが、都知事選の結果次第で、これも小池知事か、はたまた蓮舫新知事がその役割を務めるのか、注目されるところである。世界的にも珍しく東京都知事選は、2人の女性候補者による決戦の場となる。

 その最中に男女格差ジェンダー問題が近年日本でも話題になり、昨日世界経済フォーラムが発表した2024年版「ジェンダーギャップ報告書」によると、首都のリーダーを決める選挙に女性同士の決戦が脚光を浴びながらも、依然日本は調査対象となった146か国中118位で、前年の125位から僅かばかりランクアップしたとは言え、とても世界に向けて誇れる位置ではない。94位の韓国や、106位の中国にも遅れを取っている。今日からイタリアでG7首脳会談が始まったが、そのG7の中でももちろん最下位である。

 先日男性優先のメキシコに、初めて女性大統領が誕生したとのニュースがあったばかりである。メキシコでは長年男性優位主義文化が強いとされていたが、2014年に「パリテ」という議会議員は男女同数とする法が成立した。そのメキシコは日本を遥かに上回る33位で、アメリカの43位をも超えている。女性同士の対決の東京都知事選が、ジェンダー問題、並びに女性の地位向上に影響を与えるようなら、大いに結構だが、選挙前のメディアの伝え方は、実務的な公約や、政党の支援の在り方などに目が向けられ、女性の地位向上とか、女性の政治家を志す動きを推すようなものではなく、2人の女性対決は偶然の結果であるような捉え方である。当然日本のジェンダーに関する意識は、充分国民の中に沁み込んでいるわけではない。

 日本に対する評価が、118位の低位に留まったのは、政治部門が低く評価されたことが大きい。閣僚数は少し改善されたが、相変わらず女性議員数はほぼ横ばいで、これが改善されなければ、将来的にも女性の主張、権利が取り入れられることは少ないと悲観的に受け取られる。

 今回の「ジェンダーギャップ報告書」の順位を見てみると、予想されたように、北欧を主とするヨーロッパ勢が上位を占め、下位には女性を差別化傾向の強いアラブの国々が多いが、その中でアラブ首長国連邦が日本より遥か上位の74位にいることが少々理解し難い。また、昨日のブログにキプロスを批判したが、84位だった。来年度版では、日本がもう少し上位に上がって欲しいものである。

2024年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com