6136.2024年6月9日(日) 「森林環境税」課税とは寝耳に水

 寡聞にして知らなかったが、今年度からひとり年間1千円の「森林環境税」が新たに課税されることになった。まさに「寝耳に水」である。それを知ったのが、税が今月6月から徴収されるとの先日のテレビ・ニュースだった。あまり国民が知らない間に、もうすでにスタートしていたのだ。目的は、森林の整備、及びその促進に関する施策の財源として使われるということで、国民から課税した税収は、国が森林環境譲与税として今度は各自治体に分配される。

 普段あまり関心を抱かない森林などの維持費を国民が知らぬ間に国がこっそり徴収するという、少々騙し討ちのようなやり方は、身勝手ではないかと思う。もう少し前広にメディアなどを通して説明し啓蒙したうえで実施して欲しいものである。サラリーマンは、今月分の給料から差し引かれるが、我々公的年金受給者は10月から課税される。

 主旨は理解出来るが、いつもながら国の施策の狡いところは、この新税が13年前の東日本大震災の復興資金として昨年まで10年間に亘り、国民から都道府県税、市町村税合わせて年間1千円を徴収していたが、今年度からなくなるので、新たに森林環境税という名称で、穴埋めしようとの考えが垣間見える。

 いずれにせよ国会で十分な審議も行わず、安易に課税する手前勝手なやり方には素直に納得出来ない。10月分の納税通知書をよく見てみたい。

 さて、パレスチナ・ガザ地区におけるイスラエル軍の攻撃により多数の人びとが生命を落としている。この数日エジプトやカタールなどが仲介して、停戦交渉が続けられているが、まとまる気配が見られない。それには、イスラエルの支援国であるアメリカがイスラエルに対して厳しく迫らないことが最大の問題である。そしてイスラエル政府の強情なまでのハマス殲滅論である。アラブやヨーロッパ諸国がしきりにイスラエルの対応を非難しているが、強気一辺倒で「ハマスの殲滅まで」とか、「人質の全員解放まで」と言い張ってイスラエルは、攻撃を停止しようとはしない。昨8日もイスラエルは、ガザ地区中部を「テロリストの施設を標的に攻撃」していると言い訳のように述べたが、100人以上が死亡したと言われている。2日前には、同じ地域にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校を空爆して子どもら40人が死亡したと伝えられたばかりである。

 このイスラエル軍による子どもらを攻撃するあまりにも無慈悲で卑劣な行為に対して、国連報道官はイスラエルを「子どもの人権侵害国」と認定すると公表した。しかし、イスラエルは反発し、あくまでもハマスの徹底殲滅をと主張し続けており、現状では攻撃を停止することを期待することは出来ない。

 戦争を有利に続行している間は、国内における独裁者の地位が揺るぐことはあまりない。だが、イスラエルは、ネタニヤフ首相の国内基盤がやや弱く、それだけに簡単には攻撃から手を引くということは考えにくい。ロシアのプーチン大統領にしても内心は、権力基盤を固めるためには、ウクライナ侵攻をいつまでも続ける意向のようだ。習近平・中国国家主席がフィリピン海域へ違法に海洋進出を止めないことや、金正恩・朝鮮労働党総書記が軍事力を誇示するのも同じような理屈である。

 あまり大きく報道されないが、今アフリカのスーダンでも国軍と準軍事組織の間で紛争が激化し、断続的に死傷者が出て、7日までに1万5千余人が犠牲になり、国際機関が「ジェノサイド(集団殺害)」と非難している。私利私欲で権力欲の塊である支配者がいる限り、この世から戦争は消えないのではないかと暗い気持ちになる。

2024年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com