どうも世界的にいろいろ雑多な騒ぎが各国で起こり、どこも社会的不安が溢れている空気の中で、昨夜デンマークのフレデリクソン女性首相が首都コペンハーゲンの路上で近寄って来た男に突然覆われ、ケガをした。警備体制はどうなっていたのだろうか。首相は事件にかなりショックを受けているという。5月には、スロバキアのフィッツォ首相が銃撃され、重傷を負ったばかりである。仮にも首相としての自覚と警護が、やや甘かったのではないかと思う。
1977年シンガポールのリー・クワン・ユー首相が準国賓待遇で2度目の来日の際、こんなことがあった。外務省から滞在中に箱根へ小田急ロマンスカーで行かれるので、それに対応するようにと小田急電鉄を通して連絡を受け、何度か外務省で警視庁係官、新宿駅長も交えて打ち合わせをした。乗車当日、リー首相が公用車で小田急新宿駅へ到着されプラットホームを乗車口へ向かって歩いていた。その時、私は首相の周囲を取り巻くガードマンの後ろを歩いていたが、ちょっと小走りで動いた瞬間、ガードマンの何人かが私をじろっと凝視したので足が停まってしまった。それほど神経質なくらい慎重にしていたことに、驚くとともにある面で納得したものである。
その点で、警備面から考えると国家の指導者である女性首相が無防備にも夜外出して、近づいてきた男に襲撃されるなんてことは、日ごろから事件が頻発している大都市で起こるとはとても考えられない。首相もかなりショックを受けたようだ。一種の慣れによる不注意ではないだろうか。流石にデンマーク首相府も対策を講じるようだ。いずれにせよ要人の警護には充分配慮してもらいたいものである。
さて、Googleから恒例の5月分ブログ・アクセスのレポートが送られて来た。1か月分のアクセスと過去累計のアクセスの2種類のレポートである。ここでは、過去のアクセス・ランクから感じた、アクセス数が多い点に関して指摘したい。
実は、5月も4月同様にアクセス数1位は、2013年9月30日に書いた「評価の分かれる盗作作家・山崎豊子さん」と、2位が、2022年8月16日の「つまらない新聞連載小説」と、まったく同じだった。毎回社会や政治、個人的行動なども気軽に書いているつもりだが、どうしてこれほど小説に関するブログに関心を抱いてもらえるのか。やはり私同様に、現代の小説の内容に納得出来ない人が多いのではないかと推察する。
現在朝日朝刊に連載中の「G線上のアリア」もやや期待を裏切っている。ロマンチックなメロディーで始まるバッハの名曲と同名のテーマである。しかし、ロマンチックどころか、現時点では母親代わりだった叔母を施設に引き取ってもらい、散らかった家の中を片付け整理している段階である。すでに連載は70回に近づいているが、登場人物も少なく、どうもストーリー性が感じられず面白くもなく、前々回連載作品だった多和田葉子著「白鶴亮翅」に次いで、「朝日よ! またか」というのが率直な感想である。作者の湊かなえ氏は、「告白」が大ヒットして本屋大賞を受賞したくらいの作家なので、期待していたが、現状では期待に応えてくれていない。またまた「つまらない新聞連載小説」を書くことになってしまった。