6112.2024年5月16日(木) シャープの「世界の亀山モデル」転落

 今日から気持ちを新たに18年目のブログのスタートである。

 早々にあまりパッとしない話題だが、昨日の朝刊紙上にかつて日本の電機業界の顔でもあった「シャープ」が、TV用液晶パネルの生産から撤退するとのニュースが大きく取り上げられていた。シャープ電機と言えば、テレビ界でも革命児として知られ、2000年代にTVのブラウン管から液晶テレビへ切り替え、特に三重県亀山市のシャープ亀山工場は日本の電機業界の先端にいた。しかし、今世紀初頭一世を風靡し「世界の亀山モデル」とまで持て囃された液晶テレビも、次第に価格面で中国や韓国、台湾製に太刀打ちできなくなり、事業自体も赤字を余儀なくされ、挙句に会社は台湾の鴻海精密工業に買収された。今では、ディスプレイ産業は日本経済の「失われた30年」と自嘲的に言われている。

 実は、私自身この亀山とは、別の意味で不思議な因縁を体験したことがある。それは文部省の教員海外研修団でご一緒した三重県立亀山高校の校長先生から、今世紀初めに同高校生の韓国への海外修学旅行の説明会を開きたいので、高校生にとって海外旅行で留意すべき点について参考になる話をして欲しいと依頼され、お引き受けした。そこで名古屋市内に1泊の後JR亀山駅前でタクシーに乗り、ドライバーに「亀山高校へお願いします」と話した。ところが、初めての土地でもあり、まったく土地勘がなかったので、料金支払いの際、「ここが亀山高校ですね」と念を押したところ、彼もびっくりして「ここはシャープ亀山工場で亀山高校ではない」と応えた。彼は勘違いして「亀山高校」を「亀山工場」と間違えたと謝った。直ぐにそこから亀山高校へ再スタートすることになった。私の言い方が悪かったのか、その辺は何とも言えないが、ドライバーの立場では私が背広、ネクタイを身に付け、ビジネス・バッグを手に提げていたので、亀山工場へ向かうサラリーマンと早飲み込みし、深く考えることもなく亀山工場へ向かったのではないかと思う。その話を校長に話したところ、苦笑しておられた。そのままシャープが企業業績を伸ばしていれば、ジョークにしても冴えただろうが、シャープは今では「落ち目の三度笠」であまり笑える話ではない。だが、私には印象深い亀山詣でだった。

 さて、今日広島県安芸高田市の石丸伸二市長が、今年7月に行われる東京都知事選に出馬する意向を表明した。石丸市長は、4年前当時の市長が大規模買収事件で辞職して行われた市長選で、37歳の若さながら選挙戦を勝ち抜いたが、その後市議会やメディアと対立して何かと注目を集めた御仁である。任期切れを機に都知事選に立候補した理由として、「東京を変えて日本を変えたい。東京の一極集中から全国にわたる多極分散に向かう時が来ている」と語ったが、1期だけで市長を辞めるようでは、反って地方の他極分散政策にマイナスではないだろうか。言い分として「どうしても他にやらなければならないことがある」と述べたようだが、地元民はもちろん東京都民としてもどうもすんなり納得することが出来ない。

 また、立候補にはその自治体の市町村に3か月以上居住していることが条件だと思っているが、安芸高田市長がそれを知らないわけがないと思う。それより何より市長として4年間、やるべきことをやったのだろうか。一方で今のところ小池百合子都知事は、まだ態度を表明していないが、こちらももう任期は残り2か月である。出るなら出るともうはっきり表明すべきではないか。今日購入した文藝春秋6月号上の座談会では、相変わらず評判は頗る悪い。どうなる都知事選!

2024年5月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com