6108.2024年5月12日(日) 休戦を避けようとする狡猾なイスラエル

 パレスチナ・ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃は容赦なく、停戦交渉お構いなしに続けられている。漸く停戦交渉がまとまりそうな空気の中で、ガザ地区ラファのパレスチナ人たちは、「神に感謝する」などと喜びを口にしていたが、そうは問屋が卸さなかった。イスラエル軍は情け容赦なく攻撃を続け、多くの死傷者を出した。どうして和平交渉中にこれほど露骨で無慈悲な戦闘を行うのか、イスラエル軍の攻撃には世界中から非難が浴びせられている。流石に最大の支援国アメリカも武器の供与には二の足を踏んでいる。

 10日国連は緊急特別会合を開き、パレスチナの国連加盟を支持する決議案の採択を行い、日本やフランスなど143か国の賛成多数で採択した。イギリスなど25か国は棄権し、イスラエルやアメリカなど9か国が反対した。本提案が決議されたことに対して、イスラエルの国連大使は強く異議を唱え、国連会合の場で国連憲章コピーを小型シュレッダーで破り、「恥を知れ!」という捨て台詞を吐いた。

 実は、先月も同じ内容の採択を行い、同じように承認の結果に終わったが、常任理事国アメリカが拒否権を行使して採決は否決された。国連への正式な加盟を決定する権限は、安全保障理事会にだけ与えられている。従って、10日に賛成されたパレスチナ国連加盟が承認されるかどうかは、安保理5大常任理事会において5か国すべてが、ただの1国も否決しなければ承認される。ただ、これまでの経緯を見てみれば、本件に関してはアメリカが拒否権を行使するのは、充分予想できる。

 但し、アメリカはパレスチナが国連を通じてではなく、当事者間の直接交渉によって国家承認を追求するべきであるとの見解を示している。こんな話がまとまるわけはない。流石のアメリカもいつまでもイスラエルの支援国という加盟賛成国の冷たい目の負担に耐え切れなくて、逃げていたいというのが本音のようだ。

 さて、パレスチナ地区における人災に比べて、7日にイランと国境を接するアフガニスタン西部を襲った激しい地震は防ぎようがなかったようだ。2021年8月にアメリカ軍が撤収して以来イスラム主義組織タリバン政権が権力を掌握しているこの国では、全く事後の支援態勢などの対応が追い付いていないようだ。すでに2千人以上が死亡し、負傷者は9千人余りに達している。アラブ系住民が住むこの地方特有のレンガ造りの家屋には支柱はなく、多くの家屋が倒壊した。損壊した住宅は1,300棟以上に上るという。

 更に3日後の10日、アフガニスタン北部では大雨による洪水が発生し、130人以上が死亡した。貧しいタリバン政権が被災住民を手厚く支援するのは難しいのではないかと心配されている。

 前者は、意図的な殺人行為であるが、後者は自然災害による災難である。後者を防止することは、現状では難しい。だが、前者の戦争ごっこは支配者の考えひとつで、止めることは出来る。それをしようとしないのは、イスラエル政府の「ハマス憎し」の頑固一徹さと、アメリカ国内でユダヤ人の財政的支援を期待するアメリカ国会議員の支えがあるからである。

 ところで、昨日ブログに取り上げた大相撲は、今日夏場所初日を迎えたが、早々に珍しいことがあった。大関戦4番勝負は、すべて大関が負けた挙句に、結びの一番で横綱照ノ富士も敗れるという大番狂わせの幕開けとなった。さぁ、今場所は吉と出るか、凶と出るか?

2024年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com