6107.2024年5月11日(土) 地方自治体の不祥事と大相撲界の不安

 大分次元の低い話で少々憚られるが、このところ自治体首長らによるセクハラ・パワハラがメディアで伝えられ、うんざりさせられる。地方の首長はこんなことしか話題になることがないのかと呆れかえるばかりだ。岐阜県美濃加茂市議会の副議長が、姉妹都市オーストラリア・ダボ市の市長を迎えた歓迎式典パーティ後に、カラオケで市長の娘に対して、下半身にマイクを近づけたとする国辱的で不適切な行動について、美濃加茂市長がダボ市長へ宛てて謝罪のメールを送信し、市長から了解してもらったと報道があった。当人はあれこれジェスチャーを交えてそのような気持ちは一切ないと言い訳をしていたが、我々外部の人間にとっても日本人の破廉恥な行動を曝け出されたような恥ずかしい気持ちになる。

 他にも行為自体は別物だが、先日退任した川勝平太・前静岡県知事のように、退職金は辞退するときっぱり言っていながら、ちゃっかり2千9百万円の退職金を受け取っていたことが分かった。きれいごとを言ったつもりであろうか、長年知事という要職を務めて退職金を受け取る権利はあるので、受け取ること自体をとやかく言うつもりはない。しかし、それなら辞任会見の場で、退職金辞退などと心にもないようなきれいごとを言わなければ好い。とにかくお役人というのは、言った言葉の裏にはウソが隠されているような不信感が拭えない。

 偶々であろうが、この東海地方の近隣自治体には、最近同じような事件が頻発している。これらを取り上げて、先日の朝日夕刊「素粒子」欄に皮肉を交えてスキャンダル連鎖がこんな風に書かれていた。

 「地図で見る。美濃加茂市から時計回りに岐南町、池田町。お隣愛知の東郷町。軒並みセクハラ、パワハラで知名度を上げ。◇ 呆れる代わりに他山の石に。男性中心の組織。人事の硬直化。異論言えぬ空気。『裸の王様』は、どこにも生まれうる。◇ ~」。

 こんなことばかりやっているようでは、地方都市も行き詰まることだろう。翻って東京都だって必ずしも小池知事に全幅の信頼を置いているわけではない。小池知事は、女性知事であるので、セクハラ、パワハラのような破廉恥な行動を冒す可能性は薄いが、学歴詐称をしたり、お金をどこへ使ってしまうのか分からない案件が目立つことと、都民や多くの人びとから反対される事象に説明がなく強引に押し通してしまうところが強引だと思っている。

 そこで、気分転換に別に他愛ない話題をひとつ。明日から大相撲夏場所が始まるが、このところ相撲界周辺からトラブルがしばしば聞こえてくる。30年以上も前の若貴ブームはどこへやら、その後の八百長問題発覚により、部屋、親方、力士が処分を受けたり、最近も弟弟子に暴力を働いていたとして兄弟子が破門されたり、その行為を知りながら黙認していたとして親方が協会内の地位を格下げされたり、不祥事が相次いだ。そこへこれはトラブルではないが、先場所新入幕で110年ぶりに初優勝を飾った尊富士関が、優勝直後の夏場所をケガで休場する残念な事態となってしまった。ともかくあまり明るいニュースが聞かれない相撲界には、近年新弟子検査を受けて入門する若者の数が少なくなっている。

 相撲界にお相撲さんがいなくなっては、お仕舞である。そこで相撲協会もこれまで厳しかった入門の条件のひとつである「体格基準」を止めることにした。1992年には、新弟子が223人もいたが、昨年は53人まで減ってしまった。そのため相撲協会はハードルのひとつである体格検査を中止すると決めたものである。10年前までは体格は、身長173cm、体重75㎏以上が入門の最低条件だったが、近年は身長165cm以上にまで段階的に条件を緩和してきた。それも遂に取り払うことになった。これにより入門者が増え、相撲界がかつてのような繁栄を謳歌することが出来るだろうか。明日から別の意味で大相撲TV観戦を楽しみにしたいと思っている。

2024年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com