6105.2024年5月9日(木) 企業にとって好決算、ロシアには戦勝記念日

 日本経済の停滞が、円安の元凶とまで言われているが、昨日トヨタ自動車が同社の2023年度決算を発表した。過去最高の好決算で、売上高45兆円、営業利益は5兆3,529億円、純利益は4兆9,499億円となり、純利益はこれまでの最高だった2年前のソフトバンクグループ企業が出した4兆9,879億円に次ぐものだった。今では円安が企業経営の足を引っ張っているとマイナス・イメージで語られるが、トヨタはその円安を輸出を伸ばすことにより、経営に貢献した。流石に2匹目のドジョウは捕獲が難しいと見たのか、今年度は大分控え目に純利益を27.8%も下げた3兆5,700億円を見込んでいる。欧米市場で、電気自動車(EV)の販売に減速傾向が見られたので、ハイブリット車(HV)に重点を移した販売政策がヒットしたようだ。同じように輸出産業企業には、トヨタの成功例をヒントに輸出に目を向けて欲しいものである。

 企業各社の23年度決算が次々公表されているが、大手商社5社(三井物産、三菱商事、伊藤忠商事、丸紅、住友商事)の決算も出揃った。各社とも過去最高益に近い決算を保ったようだ。とりわけ三井物産が24年ぶりに首位となった点が注目される。コロナ禍で鬱積した気持ちをすっきりさせる点で、ややスケールは小さいとは言え観光業も回復の兆しを見せており、民間企業のこれからの復興を願って止まない。

 ついては、損保業界が企業向けの保険契約で価格調整をしていた疑いで、公正取引委員会が立ち入り調査を行って今一つパッとしない中で、損害保険大手4社が今年10月から揃って保険料を1割値上げするという。そう言えば最近住宅地のみならず山林火災なども頻発し、地域住民が避難するような事態がしばしば報道されている。最近山形県南陽市で起きた山火事なぞは、山中で消火作業が思いのままに進めることが出来ず、自衛隊や県の防災ヘリなど4機が空から消火活動を行ったが鎮火に至らず、4日間経過して一昨日漸く火を消し止めることが出来た。

 保険会社の言い分では、近年台風や豪雨などの被害が相次ぎ、保険金の支払いが増えている。ただ、火災保険の値上げは、19年以降これが4回目で、この5年間の負担は4割も増えている。これから生きていくのは、中々難しくなったと実感している。

 ところで、日本の外では今日はロシアの第2次世界大戦戦勝記念日だ。モスクワの「赤の広場」では小雪が降る中で記念式典が開かれた。9千人の兵士からなる軍事パレードに引き続き、一昨日通算5期目の任期をスタートさせたばかりのオーバーコート姿のプーチン大統領が演説を行った。演説の要旨は、地球規模の対立を避けるために「すべてのことをする」と述べ、ロシアを脅すことは許さないと強調し、一番警戒すべき核兵器の使用については、常に即応体制にあると語った。明らかにウクライナや欧米をけん制した発言である。ただ、軍事パレードに登場した兵器の数は、昨年より大分減り、ウクライナとの戦闘が続く中で、規模を減らさざるを得ない環境にあるようだ。どうも世界に争いと脅しを振りかざすロシアの恫喝的な言動には困ったものである。

2024年5月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com