6036.2024年3月1日(金) 暗黒時代に突入する世界の政治

 昨夕唐突にメディアが伝えたMLBドジャースの大谷翔平選手が結婚したとのニュースに、大げさに言えば日本中の若者が興奮していた。出身地の岩手県では盛岡駅前で号外を配ったり、メディアでも大きく扱うほどだった。街頭でインタビューされた若い女性らはほとんどがショックを受けたと語っていた。1人の女性に大好きな大谷選手を奪われたかのようなコメントを多くの女性たちが述べている有様だった。大谷ロスであり、一種の社会現象でもある。まだ、結婚相手については普通の日本人女性だということ以外は、分かっていないが、考えようによっては、こういう話題が大きく取り上げられること自体日本社会は天下泰平である。

 ところが海外へ目を向けると、パレスチナ・ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃が益々激しくなり、飢餓状態で食料の受け取りを待っていた人々を銃撃し、昨日も112人が死亡し、760人が負傷するなど多数の犠牲者を生んだ。ハマスの攻撃が始まって以来、すでに3万人を超える死者が出て、人道状況は悪化の一方である。流石にグテーレス国連事務総長もイスラエル軍の攻撃を厳しく非難している。しかし、ハマスを殲滅させるまでは停戦せずガザ地区を攻撃し続けると語ったネタニヤフ首相の言葉通り、イスラエル軍の攻撃に国際社会は、ただ手を拱いているだけのようである。

 ガザ地区が壊滅直前に追い詰められている中で、ウクライナ問題についても明るい兆しは見えない。昨日ロシアのプーチン大統領は、恒例の年次教書を2時間以上に亘って演説した。その中で3年目に入ったウクライナへの軍事侵攻については、「ロシア軍が主導権を握って、更に多くの領土を解放している」と身勝手に成果を強調し、また、核戦略は臨戦状態にあると脅しをかけて、欧米を強くけん制もした。今後の戦況については、多くの領土を解放し、戦争を終わらせ、ナチズムを根絶すると軍事侵攻を続ける姿勢を改めて強調した。プーチンこそが、独裁国家体制の頂点に立ち、思うがままに他国へ侵攻し、他国民を痛めつけており、それがロシアという国を横暴で残虐な国へ導いている点については、触れようともせず、ただ戦果を強調し、自らの功を吹聴している。ナチズムの根絶とは、自らこそがナチであり、その根絶を公言するとは自分自身を根絶するようなものである。ウクライナはとてもナチとは思えず、プーチン自身がナチズムの塊ではないか。核保有を見せびらかし、他国を威嚇するなんて最低の人物である。こんな男が15日から形ばかりの大統領選で当選するなら国際政治はお先真っ暗である。

 いずれにせよ、ガザの戦闘、ウクライナの侵攻は、未だ暗闇の中にあり、明るい兆候はまったく見えない。

 残念ながら上記2つの事例を見ていて、アメリカの存在感が薄れていくのを感じざるを得ない。最近「もしトラ」という言葉が、流行り出したが、もしトランプ前大統領が今秋の大統領選に勝利したら世界はどう変わるかとの不安の声である。仮にトランプとプーチンの2悪と、習近平・中国国家総書記が国際政治の場で顔を揃えるようになったら、地球上は修羅場となるのではないだろうか。

 それにしても世界は破滅と背中合わせの嫌な世の中になったものである。せめて大谷選手の活躍で明るい面を見せてもらい、我々は堅実に法を守り、出過ぎた行動を慎むことしか考えられない。

2024年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com