6024.2024年2月18日(日) ナワリヌイ氏の不審な死と刑務所内の言葉遣い

 庭の白梅も大分花を咲かせて、今日は初めて鶯が飛んで来た。昨年は飛来こそあったが、一度もあのホーホケキョという鳴き声を聞いたことがなかったが、今年こそは何とかあのしびれるような声を聞いてみたいものである。

 ロシアのナワリヌイ氏の死亡について案の定というべきだろうか、いろいろな噂が飛び交っている。ロシア政府筋から発表された死因「突然死症候群」のコメント以外は、すべてプーチン大統領による他殺との批判的な声が圧倒的である。ナワリヌイ氏ら反政府的な言動が小心なプーチンを大統領選に圧勝させようとの気持ちにさせ、それがナワリヌイ氏を葬った大きな原因である。それにしてもこのロシアの大統領選は、少々変わっている。すでに投票用紙が公表された。そこには、4人の立候補者の名前が記されていて、この中から1人を選ぶことになる。プーチン以外の3人は、最大野党共産党の下院極東委員長、極右の自由民主党党首、政党「新しい人々」の下院副議長であるが、いずれもプーチン政権に従順な体制内野党と呼ばれ、プーチンの脅威にはなり得ないとされている。亡くなったナワリヌイ氏は収監中だったために、最初から立候補できる可能性はなかった。そして唯一反戦を唱えている独立系のナジェジディン元下院議員は、選管から立候補を認められていない状態である。プーチンにとっては、当然戦う前から外堀を埋めて勝負ありであるが、こうまでして大統領の権限を独裁的に行使したいものだろうか。よくぞ公に自由選挙だなどと言えたものである。その人間性を疑いたくなる。

 ナワリヌイ氏が死亡した収容所における待遇はどんなものだっただろうか。昨年フィリピンを拠点に特殊詐欺に関与したとしてマニラから日本へ移送された日本人容疑者らが、「地獄の沙汰も金次第」とばかり、マニラの収容所内で刑務官を買収していたような奔放な作法が発覚してテレビでも派手に取り上げられた。実は日本では法務省が、2022年に名古屋刑務所内で受刑者が刑務官による暴行を受けたことをきっかけに改革の一環として、今年度中にすべての施設で受刑者の立ち直りと関係者を見直す取り組みとして、刑務官と受刑者の間のお互いの呼称を改めることにするという。

 刑務所や拘置所に収容されているすべての人を、苗字に「さん」をつけて呼ぶことに運用を変えるという。これまでは受刑者らを呼び捨てにすることが多く、中には「やつら」と呼んでいたこともあったようだが、すべて「さん」づけとすることを決めた。一方、受刑者が職員を「先生」と呼ぶことがあったが、これも4月からは「さん」づけで呼ぶことに変更する。しかし、こうなっては映画やテレビの収容所におけるシーンで、受刑者を取り調べる係官が、怖い口調で「○○さん」などと言ったのでは、その場の雰囲気にそぐわないのではないだろうかと些か気になる。

 また、「先生」という呼称は、教育現場の先生や、医師、尊敬されるような実績を上げた人を呼ぶ場合だけで良いと言う声が以前からあった。国会議員は一般的に「先生」と呼ばれているが、彼らが最近の裏金に関して表沙汰になった悪事を知るにつけ、こういう国会議員を先生と敬うような呼称はどうかと思う。この際刑務所の改革と同時に、国会も改革して「先生」と呼ばずに「さん」づけで呼んだ方がすんなり受け入れられそうである。

2024年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com