6018.2024年2月12日(月) インドネシアとロシアの大統領選の行方

 政治の世界では裏金がまかり通り、国会議員はポケットに入れた裏金を秘書のせいにしたり、知らなかったと惚けたり、納税しなかったりやりたい放題の感がある。ところが、まさかと思っていた大都市の教育委員会が教員団体から毎年賄賂的な資金提供があったことが、メディアで伝えられ問題になっている。この不祥事を引き起こしたのは、名古屋市教育委員会である。

 自民党派閥のキックバックが億単位の裏金だったのに比べれば、各教員団体が市教委に手渡したのは、5千円から3万円前後の現金か商品券だったというから派閥の裏金に比べれば、取るに足らない全額で年間200万円程度ではあるが、その舞台が学校教育を担当する部署だけに見過ごすわけにはいかない。流石にとかくその行動が話題になりがちの河村たかし・名古屋市長も、徹底的な真相究明をしなければいけないと調査を行う方針を明らかにした。

 この上納金を提供したのは、市内の校長会や、出身校同窓会など約80の教育団体で、20年ほど前からだという。問題なのは、現金の他に各団体が提出した校長推薦名簿である。これを市教委事務局で人事を担当する教職員課が受け取っており、帳簿も作成したというから市教委としては恒例のルーティンになっていたようだ。校長人事にどの程度現実的な効果があったのかは何とも言えないが、まったくなかったとは断言出来ない。繁忙期などに食べ物や飲み物などに使って欲しいと言う陣中見舞いの意味で渡されていたというが、長い間の慣習になっていたことに対して、市の幹部は校長人事が金で動いていると疑われかねないと警戒している。

 さて、今年は11月のアメリカ大統領選をはじめ、各国で大統領選、総選挙が実施されることを皮肉って「モンスター選挙年」と言われていて、世界人口の半数が投票権を行使出来るそうである。先月にはバングラデッシュ総選挙、台湾総統選、今月に入ってすでに4日にエルサルバドル大統領選、8日にパキスタン総選挙が行われた。そして、明後日にはインドネシアで大統領選がある。注目したいのは、そのインドネシアと3月15日に行われるロシアの両大統領選である。

 インドネシア大統領選では、2期10年務めたジョコ現大統領が憲法の規定で3期目は出馬出来ず、その後任争いであるが、過去2回ジョコ大統領に敗れたプラボウォ国防相が、ジョコ大統領の子息を副大統領候補にしてジョコ大統領の支援を受けている。当然縁故だと批判の声がある。プラボウォ国防相も独裁者だったスハルト元大統領の娘の元夫としてスハルト氏の支援を受けた。国家経済を豊かにしたジョコ大統領の実績に後押しされて現状では優位にある。

 一方、気になるのはロシアの大統領選である。総選挙が行われない中国総書記と異なり、一応選挙を行うが、その大統領選も自家薬籠中のものにしている。実際2000年に大統領となり、2期務めて憲法の3選禁止により一時的に1期置いて2012年に再び大統領となり、その後18年に再選され在任中に後2回再選に立候補できるよう都合よく憲法を改正し、大統領任期を2036年まで延長出来る。

 自らの権力行使のために憲法までも改正して大統領職にしがみつこうという私利私欲の典型である。これには妨げる者は容赦しないプーチン大統領の横暴な権威主義が見られる。大統領選には、立候補届け出を中央選管が審査し、いちゃもんを付けては、拒否したり、勝てそうな立候補者を容認し圧勝して、プーチン氏圧勝を国民に印象付ける。「プーチン大統領圧勝」の脚本が作られている。まったくの茶番である。それが今のプーチン独裁国家「ロシア帝国主義」である。

2024年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com