6013.2024年2月7日(水) 「ガリバー旅行記」作者に笑われる嘘つき国会議員

 今朝の朝日新聞の一面トップ記事が、昨日本ブログにも触れた盛山正仁文科相の旧統一教会から2021年衆議院選前に推薦状を受け取った事実についてである。文科相は旧統一教会の会合には出たが、推薦状は受領していないと否定していたが、それが真っ赤なウソであることが分かった。これを受けた昨日朝の情報番組では、冒頭からこの話である。この期に及んで今日衆議院予算委員会で、「写真を見てこういうことがあったかなとうすうす思い出した」とか、「充分内容を読むことなくサインしたのかも知れない。軽率だった」と止むを得ず認め、引き続き職責を果たし文科相の地位に留まると述べた。流石に自民党内から辞任論が出ている。また、新たに林芳正官房長官にも3年前地元山口で旧統一教会関係者と会った疑惑が浮上している。まあ国会議員というのはこんな程度である。

 今夕の朝日紙「素粒子」欄にガリバー旅行記作者のJ・スウィフトが300年後の日本を見通したような言葉が紹介されている。「英知、能力、徳を基準に側近を選べ。大衆の利益を考えるよう大臣を教育せよ。大臣の記憶力は短く薄弱なので、用件を済ませた後、鼻をねじる、腕を青黒くなるまでつねるなどして忘却を防げ―」。知らなかったが、的を射た言葉である。

 また、各派閥に所属している議員に対して自民党幹部がアンケートに対する回答を求めた件に関しても、今朝の報道番組の出演者は訂正ばかりですべてがウソで固められ、国民の怒りは収まらないだろうとコメントし、国税庁が国会議員に対して甘い対応を指摘している。国税庁は国民にはすべてに厳しく徴税しながら、国会議員のこのような明らかな脱税行為に対して‘甘い’と批判しているのである。せめて、ある程度裏金の受領が確定した段階で、国税庁はそのすべてを不労所得として徴税すべきである。

 さて、今朝の朝日新聞の片隅に朝日新聞北海道版夕刊を4月1日から休刊とすると出ていた。やはりかというのが率直な感想である。資材の高騰や、デジタルサービス利用者が増えたからと書かれているが、本当の理由は購読者と広告の減少だろう。近年新聞購読者数が減り続け、ピークだった1997年は全紙で5376万部が発行された。その後年々減り続けて一昨年には3084万部にまで落ちてしまった。最盛期から43%も減少してしまったのである。特にここ数年の減少率を見ると2018年は対前年比5.3%減、2020年は7.2%減となり、このままのペースで減り続ければ、20年以内に紙の新聞は消滅してしまう。これは、2月1日の本ブログで「『読書時間ゼロ』の若者」に取り上げた本を読む人が少なくなったことと相関関係にあると思っている。

 かつては、日本人の新聞好きは有名で、世界で発行部数の多いランク10社の内日本の新聞が1~3位を占め他に2社がランクインするほどだった。新聞販売が伸びていた1970年には、1位朝日、2位読売、3位毎日だったが、2011年には、1位読売1002万部、2位朝日805万部、3位毎日391万部と大手3社が圧倒したが、勢力図に若干変化が表れてきた。それが、今では1位読売686万部、2位朝日430万部、3位毎日193万部、4位日経175万部、5位産経102万部にまで低落してしまった。新聞は冬の時代から氷河期へと言われるほど厳しい。

 ニュース・ソースを新聞以外から入手する若者たち、特にスマホ世代にはこれからも新聞購読を期待できないが、さりとて別の問題が生じている。新聞を読まなくなったことにより、読書を敬遠することと同様に論理的に考える力が育たないこと、文字を知らなくなったこと、文章力が衰えたこと等々、問題は新聞の分野だけで済まなくなっていることである。これは大きな教育問題として考え、文科省が初等教育段階から国語力養成のためのビジョンを検討する必要があるように感じている。

2024年2月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com