6008.2024年2月2日(金) 「おバカさん」国会議員の我欲と無責任

 昨日自民党の最大派閥安倍派が解散総会を開いた。安倍派の源流は1979年に結成された「清和会」で福田赳夫元首相が初代会長に就任した。その後、勢力を拡大し、森喜朗、小泉純一郎、福田康夫、安倍晋三らが首相となり、最大派閥になって行った。解散について新聞にも皮肉っぽく書かれた。清話会を創設した際は、田中角栄元首相の金権政治を批判し、「清廉」な政治を目指したが、その行く末が裏金事件を受けた解散になったとは政治史の皮肉と揶揄されている。まったくその通りである。

 一応解散という形になったが、残された問題は山積している。所属議員99人の内、77人のパーティ収入が収支報告書に不記載となって、その後訂正された支出はほとんど寄付と書かれていた。その総額は3年間で何と4億4千万円だった。一番スッキリしないのは、ほとんどの議員が説明責任を果たしていないことで、皆同じように「知らなかった」「秘書に任せていた」という無責任なものだった。だが、派閥が解散したからとて幕引きとはなるまい。それは、形式的には「解散」となったが、誰一人として記者会見に応じようとの誠実さが見られない。記者も流石にふざけていると我慢しきれなくなったのは、記者会見の要請に応じず、手渡された1枚の用紙に「詳細は総務省のホームページで訂正された終始報告書をご覧ください」と書かれていたことだったという。常識を疑う。誠実さの欠片も見られない。

 他の派閥ももちろん批判されているが、とりわけ最大派閥であるか安倍派が批判されるのは、派閥で集めた資金を元手に裏金を使って政治力を生かし、政界を自らの思う通りに動かしてきたことだろう。今では安倍元会長亡き後に、派閥を維持、運営してきた現座長の塩谷立元文科相をはじめ、中核であった五人衆と呼ばれる松野前官房長官、高木毅前国会対策委員長、世耕前参院快事長、萩生田前政調会長、西村前経産相らの責任は極めて重い。彼ら自身が多額の裏金を受け取っていながら責任逃れの言葉を繰り返すばかりだからである。それでいながら、自身の行為について今以て何らの説明がまったくないことである。

 今朝の朝日紙に読者の投稿でも厳しい視点で彼らの悪行を非難している。投書した元市議は、会社はもちろん、市議会でも政務活動費には、すべて領収証を求められ、それが経費に当たらない場合は返還を求められたが、公費支出なので当然である。国会議員は領収証なしでも通ることが疑問だと不信感を呈している。

 自民党は、今日2日から1週間ほどかけて裏金問題をめぐって派閥派の議員に対する事情聴取を始めるそうだが、所詮自民党内の同僚議員が聞き取ることでもあり、どこまで真相に迫る事実が明かされるのか疑わしい。

 普通に考えれば、これほどの悪だくみを集団で行っていた事実からも、自民党は次回の総選挙で多くの議席を失い、現在の1党独裁体制から野党に落ちても不思議ではない。これは国民の責任でもある。にも拘わらず、遅くも来年10月には行われる総選挙で、自民党が第2党に沈むという可能性は大分薄い。国民の間に民主主義が充分身に付いていないからでもある。因みに、4月に3つの選挙区で行われる衆議院補選の結果で分かる。前職はすべて自民党員だった。ひとつでも野党候補者が自民推薦候補者を破ることが出来るだろうか。民主主義のテストでもある。

2024年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com