6006.2024年1月31日(水) 身から出た錆、ワリエナ選手と麻生副総裁

 昨日のブログに名張毒ぶどう酒殺人事件と静岡市の一家4人殺害の袴田事件について、すでにいずれも半世紀を経過しているが、今以て最終的な決着は付いておらず、裁判が長過ぎるので、何とかもう少し早く決着出来ないものかと書いた。

 ところで、それらの残酷な殺人事件とは別に、スポーツの世界でも選手の活躍可能期間を考えれば、かなり長期間だったが、漸く決着が付いたケースがあった。

 それは2年前の北京冬季オリンピックで順位と表彰式が、未だ実施されていない女子フィギュア・スケートである。ロシアが女子フィギュア・スケート団体で、1位になったワリエナ選手のドーピング問題が大会中に発覚して処分はそのままになっていた。そこへ一昨日になって漸くスポーツ裁判所が、ワリエナ選手の失格と判断し、ロシア(ROC、ロシアではなくロシアオリンピック委員会)を1位から3位へ、2位のアメリカを1位、3位の日本を2位へ繰り上げることを決めた。すでに発覚してから2年が経過したが、その表彰式はいつ、どこで行われるのか現時点では不明である。ドーピングが発覚したワリエナ選手は、その日ショックのあまり、シングル女子で前日ショート・プログラムまで1位だったが、その後行われたフリーでは再三転倒してメダル圏外の4位に落ちてしまった。

 スポーツ仲裁裁判所は、同時にワリエナ選手に4年間の資格停止他の処分を科すと発表した。問題が発覚してからすでに2年が経過した。当時15歳だった少女は、今17歳になったが、まだ2年間の資格停止期間が残っている。普通の市民ならともかくスポーツ選手にとっては、目の前に他の選手と競い会える場を奪い取られてしまったのだ。何を目標に鍛錬するのか、目標を奪われた選手にとっては茫然としてしまうのではないだろうか。況してやフィギュア・スケートは20歳代前半で選手生命は終わってしまうケースが多い。ワリエナ選手は果たして残り2年間を耐え抜いて行けるだろうか。ドーピングとは彼女も随分安直な近道を通ったものであるが、傍で指導しているコーチらがその辺りは気が付かなかったのだろうか。

 さて、一昨日やはりこのブログで触れた麻生太郎自民党副総裁の軽はずみな上川外相を揶揄する発言が、メディアで大きく取り上げられた。それは、裏金問題により自民党内の派閥がほとんど解散となりつつある中で、断固派閥を政策集団として維持していくと語った派閥会長の発言だけに、余計注目を浴びた。各テレビ局のコメンテーターが批判的な発言が多い中で、当の上川外相は「どのような声も有難く受け止めています」と表面的には気にしない大人の対応を見せた。しかし、外相の発言に対して、どうして真向から抗議しないのか、とかそういう対応が相手をつけ上がらせるのだと、いろいろ厳しい指摘もある。

 麻生副総裁はこれまでにも傍若無人で相手の人間性を傷つけるような言動が多かった。その都度批判は受けるが、いつもそれは一過性のものとなった。テレビ朝日のコメンテーター玉川徹氏は、会社内ではこういうことを言われても上司に仕返しすることは難しいが、政治家の場合は選挙で落選させることが出来る。選挙民がどう対応するかだというようなことを述べていたが、確かにその通りである。ただ、大都市圏ではともかく、地方では伝統的に選挙の現場では昔から土地の顔役が当選すれば、よほどのことがない限り再選される構図になっている。国民が成長しないとまだまだ第2の麻生、第3の麻生がしゃしゃり出て来る可能性は充分あり得る。

 厳しいようだが、15歳でドーピングを犯したワリエナ選手、そして軽薄な麻生副総裁には、身から出た錆だと言ってやりたい。

2024年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com