6005.2024年1月30日(火) 犯罪の陰で犯人を支える肉親の愛情

 昨日は丸の内の三菱重工ビルを始め連続企業爆破事件を起こした犯人「桐島聡」が半世紀も逃げ通した末に、警視庁公安部が「桐島聡」本人であることを確認出来ない間に、哀れにも末期がんにより鎌倉市内の病院で亡くなったとのニュースがメディアを騒がせた。

 そして今日は、それより10年ほど前の1961年に三重県名張市で毒ぶどう酒を飲ませて妻を含む5人の女性を殺害し、当時世間に大きなショックを与えた事件の死刑囚犯人の10度目の再審請求に対して最高裁判所が、再審を認めない決定をした。

 多くの人が殺害された事件でもあり、事件発生当時は生々しく気持ちとしては避けていた。事件から63年間よくぞ根気よく犯人の妹が再審を訴えてきたものだと兄を思う気持ちに同情を覚える。すでに犯人は獄中で亡くなり、それでも再審を請求して兄の罪を晴らしたいとの妹の兄を思う気持ちには感銘すら覚える。その妹もすでに94歳というから、そういつまでも再審に関わってはいられないだろう。

 この名張毒ぶどう酒事件も生々しかったが、その5年後に静岡市内で起きた一家4人殺害、いわゆる袴田事件の犯人として逮捕され、今も容疑を否定して裁判が継続中の元プロボクサーの袴田巌氏をつい思い出す。袴田氏の場合も実姉が終始付き添って私生活は一切面倒をみている。その姉も90歳である。87歳の袴田氏は体調を崩して心神耗弱状態にあり、車いすの生活を送っている。2014年に静岡地裁で再審開始が決定して、46年ぶりに自宅へ帰ることが出来た。だが、高齢にも拘らず、未だ最終的な処遇は決定していない。

 毒ぶどう酒事件にせよ、袴田事件にせよ、裏社会の話のようであまり爽快な気分で受け止めるようなことではないが、それにしても結論が出るまでにこれほどの時間がかかるとは驚くばかりである。例え、無罪となっても過ぎ去りし過去を取り戻すことは出来ない。失ったものがいかに大きいものか。裁判の結果はともかく日本の司法制度は、何とかもう少し迅速にことを進めることは出来ないものだろうか。

 さて、少子高齢化の時代を反映して、日本の人口が年々減少しているが、今月初め厚生労働省の「国立社会保障・人口問題研究所」が国勢調査の結果を基に、人口動態を公表した。それによると2008年の1億2千万人を頂点に以降毎年人口減少が進み、このまま行けば、2100年には日本人の人口は約8千万人になると予測されている。世界全体では増加傾向にあるが、先進国では日本同様にほとんどの国で人口が減少しつつある。

 全般的に人口減少の中で、東京都を主に首都圏の人口は都市化の進捗により、毎年転入が転出を上回る転入超過現象で人口は増えている。転入超過になった自治体は、東京都を始め、神奈川県、埼玉県、大阪府、千葉県、福岡県、滋賀県である。他の40府道県は軒並み減少している。その傾向は何となく想像出来る。このまま行けば、日本は高齢天国になり、財政的にも苦しくなってくる。裏金作りなどにうつつを抜かしていないで、身の回りの将来像を政治家たちには考えてもらわなければ困る。

2024年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com