6003.2024年1月28日(日) トランプ前大統領と世耕氏の下卑た言動

 「なんて素晴らしい勝利なんだ!」と、今年11月に行われる大統領選共和党予備選の2連勝をヨイショしたトランプ前大統領の取り巻きも、流石にショックを受けた裁判所の賠償命令である。一昨日ニューヨーク地裁がトランプ氏へ123億円にものぼる高額の賠償命令を下した。トランプ氏の女性への性的暴行事件自体はこれまでにも度々伝えられていたが、騒ぎが伝えられる度ごとにトランプ氏は、バイデン大統領による自らへの魔女狩りだと言い逃れをしていた。メディアに依れば賠償金は天文学的な評決だそうだ。天文学的な金額になったのは、トランプ氏が自分が冒した行為を鼻から否定し、自身への陰謀であると非難し、相手の女性作家は頭がおかしいとか、事件はでっち上げと中傷を重ねたことが被害者の名誉を傷つけたとして性的暴行に名誉棄損が認められ、精神的苦痛を与えたとして更に損害金が課せられ多額の賠償金になった。

 普通なら火事場から姿を消すところだが、常識と羞恥心の欠片もないトランプ氏は反って反抗することによって騒ぎを大きくしてイメージを悪化させている。ところが、我々が理解に苦しむのは、その犯罪人が選りに選って民主主義国家・アメリカ合衆国の大統領選の一番手に名乗りを上げ、その人気たるや、とても罪人に対する評価とは思えないことである。常識的に考えれば、これほど悪行を重ねた人物が国を代表する首脳として行動することは、アメリカ人として恥ずかしいものである。仮に再び大統領に選出され、各国首脳との会談に及んだ際に、若い外国女性首脳にでも手を出したら、どういう事態になるか、危なくて見ていられないのではないだろうか。

 アメリカ人有権者にはもう少し良識的、かつ理知的な判断を期待したいものである。

 一方、国内ではトランプ前大統領とは似て非なる問題ではあるが、世耕広成・前自民党参議院幹事長の行動が物議を醸している。自民党の裏金問題で東京地検特捜部の逮捕、及び立件から逃れたとは言え、後ろめたい議員らが国民から説明責任を求められているにも拘らず、未だに納得出来る対応をしていない。安倍派5人衆の中でも、政治家以外の活動で難しい対応に追われている幹部がいる。それが、世耕広成氏である。

 世耕氏は、現在祖父が創設した近畿大学理事長を務めているが、昨年12月に裏金疑惑が持ち上がると近大教職員組合は、大学の信用失墜行為であるとして理事長辞任を求める要求を大学側に提出した。しかし、大学側がその予定はないと回答した。そこへ世耕氏が1,500万円の還流不記載を明らかにし、「政治資金の管理は秘書に任せきりで把握できなかった」とか、「自分自身還流を受けているという認識がなかった」と述べたうえで、「私は起訴の対象にならなかった。法的な責任については区切りがついたと思う」と語ったことに対して、教職員組合は世耕氏の説明に納得せず、大学理事長である世耕氏に一層厳しい目を向けている。近大としては、愛される人、信頼される人、尊敬される人の育成を教育の目的にしていると訴え、世耕理事長の言動と真っ向から対立している。教職員として学生に何と説明すれば良いのか、と厳しく批判している。

 政治家として違法ギリギリの隙間を逃げ抜けて、世襲した近代理事長の地位を汚すような言動は、大学教職員としてはとても受け入れられないと現場サイドから厳しい突き上げにあっているのである。トランプ氏とは問題は異なるが、自らの身を正して国民への責任を全うして欲しいものである。

  ひとつだけ今日嬉しいニュースがあった。パリ・オリンピックの女子マラソン出場権に期待を賭けた大阪国際女子マラソンで、東京大会にも出場した前田穂南選手が、初めて2時間19分の壁を破る2時間18分59秒の記録を出し、19年ぶりに日本記録を書き換えたことである。

2024年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com