6002.2024年1月27日(土) 選抜高校野球出場校決定

 毎年2月1日に発表されると思っていた春の選抜高校野球の出場校が、昨日発表された。出場する32校の顔ぶれを見ていると、最近の傾向が分かる。その中でも特に象徴的なのは、32校の内何と公立校が僅かに4校しか選ばれなかったことである。しかもその内の2校は21世紀枠という特別出場である。残りの2校の内の1校、和歌山県立耐久高が創立された幕末の1853年は、ペリー提督が日本開港のために浦賀にやって来た年で、校名も地元の人材養成のための稽古場「耐久社」になぞらえて名付けられた由緒ある名前だそうだ。野球部創部も1905年で今年119年目になる進学校である。今では野球部強化に特化した私立高校でないと激戦区を勝ち抜いていけなくなった中で、こういう文武両道の県立高校があることは特筆すべきことだと思う。

 また、先般の能登半島地震により、石川県の日本航空学園石川高が、微妙な立場にあり、選抜される可能性ありとばかりに、選手たちは兄弟校の山梨キャンパスに移動した、その様子がしきりにテレビで紹介されていた。幸い選抜出場決定の知らせを知った関係者の歓声がテレビでも伝えられた。結局石川県からは星稜高と2校も選出されたことになる。

 他に若干首を傾げたのは、強豪校が多い神奈川県から1校も選抜されなかったことである。過去に東海大相模高、桐蔭学園高、横浜高、慶應高、法政二高、母校湘南高など他県に比べても優勝校は幅広い。中でも昨年夏の甲子園で107年ぶりに優勝したばかりの慶應高もある。それなのに、他地域に比べてレベルが低いと見られたということなのだろうか。

 ともかく3月18日に開幕となる選抜高校野球を楽しみにしたい。

 さて、イスラエル軍のパレスチナ・ガザ地区への激しい攻撃により、多くの市民が犠牲になっている。これに対して南アフリカが、ジェノサイド(集団殺戮)であるとして国際司法裁判所(ICJ)に訴えていたが、昨日ICJは暫定措置としてイスラエルに対して、ジェノサイドを防ぐすべての措置をとることなどを命じた。ただ、これをイスラエル政府が実行するか否かは不明である。実際イスラエルのネタニヤフ首相はこの直後に「イスラエルには自衛権がある。ジェノサイドの疑いを賭けるのは言語道断である」と強気に応えた。ジェノサイド自体は、第2次世界大戦中のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を非難する意味を含めてユダヤ系の弁護士が使った言葉である。従って何がジェノサイドかを決めるのは、その攻撃や殺戮に人種差別に基づいた集団全体を消し去ろうとする意図があるかどうかが問題なのである。
 イスラエル国内では、ハマスの指導者や戦闘員が標的で、パレスチナ人全体を対象にしていないとの認識が一般的である。そのためハマスが民間人を人間の盾として使い、生き延びようとしている以上、攻撃はやむを得ない。イスラエルには、ハマスはイスラエルという国家がこの地域に存在することを認めようとはしないと考える市民が多くいる。ハマスの攻撃の方がジェノサイドに近いというホロコーストの経験者もいる。

 今その渦中にあって頭を痛めているのは、イスラエルの後ろ盾となっているアメリカであろう。ガザで多数の民間人を巻き添えにしているイスラエルに苦言を呈しているが、ジェノサイドの罪に問うことには反対だとアメリカは言う。この様子だとまだ当分停戦とはならないだろう。

2024年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com