5998.2024年1月23日(火) 混戦模様の11月アメリカ大統領選

 今年は世界各国で首長選挙が行われるが、最も注目を集めているのは11月に行われるアメリカ大統領選である。改めて書くのも気が向かないが、どうして度々悪行を演じる「悪漢」トランプ氏が、再び選挙戦で頭角を現してくるのか、アメリカ人の心情が分からない。

 昨日共和党のデサンティス・フロリダ州知事が、選挙戦からの撤退を表明した。4年前に民主党のバイデン候補に敗れてから悪評の高いトランプ氏の出番は金輪際ないと思っていたが、悪漢はしたたかに生き延びているのである。しかも、大統領退任後も大統領へ未練たらたらで、選りによってバイデン大統領の不正によって選挙戦で敗れたと主張しては暴力的にいくつもの悪事を重ねてきた。今でも訴追されている事件が大分ある。こういう人物が大統領候補に進出すること自体民主国家アメリカの恥ではないかと憂慮している。

 今年11月の本選を前に、すでに共和党候補者指名争いでトランプ氏が一歩リードしていた。初っ端のアイオワ州党員集会でトランプ氏は過半数を獲得し、次点のデサンティス氏とヘイリー元国連大使にかなりの差をつけた。この次の予備選はニューハンプシャー州で行われるが、それを前に昨日デサンティス氏が早々に撤退を表明したことにより、トランプ氏勝利の可能性が一層高まった。

 トランプ氏とは異なり、初のアメリカ女性大統領を目指すニッキー・ヘイリー氏は、トランプ氏のようにお道化るような仕草は見せないが、デサンティス氏の撤退を知り、「私とドナルド・トランプの2人の競争になった。トランプとバイデン対決の道を再び歩むのか、新しい保守の道を歩むのか、有権者は決めることができる」と冷静に訴えた。トランプ氏は現在77歳、バイデン大統領は81歳でともに高齢者であり、特にバイデン大統領の行動を見ていると老いを感じることが多い。これから4年間国際社会が大きな変革期の中で、老いた大統領が世界の若い首脳と渡り合って行けるだろうか、気になるところである。その点では、ヘイリー氏はまだ52歳であり、経歴も下院議員の後に39歳でサウス・カロライナ州知事に当選し、2017年国連大使に任命された堂々たるものである。前・現大統領に比べれば、言動において若さ故のエネルギーを感じる。

 大統領選は10か月後であるが、この後民主党候補にはバイデン大統領が選出される公算が高い。再びバイデン・トランプの再戦となれば、どちらがなってもどうも新鮮さに欠けるし、健康問題が気になる。加えてトランプ氏には前途に多くの難問を抱えている。刑事事件もいくつか抱え、仮に起訴された場合、どういう事態になるのか。選挙中、また選挙後にその恐れがある。アメリカ国民の良識を信じるよりほかない。

 今世界では、イスラエルのネタニヤフ首相のパレスチナ・ガザ地区攻撃を停止する気がないことに批判が相次いでいるが、こういう強情っぱりを説得するのは並大抵ではない。実際昨日イスラム組織ハマスとの停戦について「拒否する」と発表し、軍事的圧力を強める姿勢を鮮明にした。トランプ氏にはネタニヤフ首相と似た行動癖がある。どちらがアメリカ次期大統領に選出されるにせよ、あまり期待感は持てない。敢えていうならトランプ氏は言動、人間性に信頼し兼ねるので、バイデン大統領の方がまだましだと思う。

2024年1月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com