シリアが内戦状態の中で、アサド政権が化学兵器を使用したことをチェックする国連の調査団が一応の調査を終えた。1週間内に結果が発表されるだろう。シリア政府が化学兵器を使用したことはほぼ間違いないだろう。その最中に昨日まで軍隊を投入することに前向きだったイギリスが、今日になって突如態度を覆した。
下院の臨時議会で政府が提出した武力介入の動議案が保守党内に一部の造反があったせいもあり、273対285の僅差で否決されたのである。直ちにキャメロン首相は国民の意思を汲み取り、イラクへの武力介入を断念する意向を表明した。アメリカにとってはショックである。このイギリスの豹変にアメリカは大分困惑している。アメリカ国内にも武力投入に対する反対の声が根強い。国連安保理事会に上程されてもロシアと中国が反対することは明らかである。安保決議を得ないまま行動を起こすことにはドイツ、イタリアを主にどこの国からも強い反発があり、アメリカとしては行動する以上、姑息だが化学兵器使用という確たる証拠を盾に限定的な攻撃を行うしか方法はない。
アメリカがイラク戦争開戦の根拠と称したイラクの大量破壊兵器の開発が虚偽だったことが後に判明して、イギリスはイラク戦争に介入したことに強い自責の念とアレルギーがあった。その二の舞を踏みたくないということに加えて、アフガニスタンとイラク戦争で多くの自国兵士を失ったことがトラウマとなって、戦争へ加担することに国民の間で拒絶反応が強かった。
アメリカの世論も武力介入に対する反対意見が多い。最も強い英米同盟が共同して動けず、しかし、このままでは2年半の間に10万人以上の死者を生み、200万人が難民となって国外へ脱出しているシリアの現状が益々悪化することは明白である。この袋小路からどうやって逃れるのか。アメリカは国連調査団の化学兵器使用の最終調査結果を以って数日内に断を下すことになる。
さて、今日全国高校軟式野球大会決勝戦が明石球場で行われ、初出場の県立横浜修悠館高校が初優勝を遂げた。実はこの修悠館高校軟式野球部というのが、数年前まではわが母校・湘南高校の通信制の野球部だった。全員陸上自衛隊高等工科学校(旧横須賀少年工科学校)の生徒で全寮制の下で自衛官を目指している。神奈川県教育制度の改革により、湘南の通信制から修悠館高校に移った。湘南通信制に所属していた時には、全国定時制・通信制高校大会で度々優勝していたが、新たに全国軟式野球大会に参加して直ぐ優勝する辺りは相変わらず強いと感心している。母校の手を離れたが、これからも力を発揮して欲しいものである。