ちょうど90年前の今日、あの「関東大震災」が発生した。当時の語り部はみんな90歳を超える年齢になった。子どものころ生々しい体験談をよく話してくれた両親も世を去ってから大分経つ。遠からず震災の体験者がいなくなる。その点映像や写真はいつまでも貴重な資料として震災の恐ろしさを教えてくれる。
昨日のNHKドキュメント「メガクエイク(巨大地震)」では、震災当時都内に居合わせたイギリス人写真家が撮った映像を紹介していたが、随分詳細に痛ましい光景を写して時代考証的にも役立つ資料だった。今日も続編で南海トラフによる巨大地震の予兆をつかむための研究・調査を報道していた。
メディアでは最近大震災の再発がことのほか喧しく取り上げられている。周期的に見てもそろそろ大震災が起きるとか、南海トラフの影響で東日本や東海地方は注意が必要とか、或いは地下直下型地震が起きた時の対応とか、ありとあらゆるケースの対応が取り沙汰されている。そこへ稚拙な福島第一原発の事故処理が公になる。後から後から難しい問題が露呈される。危険な雰囲気を煽っているような感じすらある。
余談だが、安全・安心の観点から今月8日に決定される2020年オリンピック開催地の決定も、東京は福島原発の放射能漏れによる安全の点でやや不利ではないかとの観測も流れている。
テレビや新聞でも海水温度の上昇や、地盤沈下の原因や地殻変動の構造などの科学的な報道がされるようになった。‘NATIONAL GEOGRAPHIC’誌9月号には、海面の上昇が取り上げられ、ニューヨーク・マンハッタン地区の高潮、及びそれに伴う浸水予想図が取り上げられている。今日発行された隔週日曜日発行の朝日新聞特集「GLOBE」には同誌の写真と抄訳が掲載されていたほどである。
今日は各地で震災発生に備えた避難訓練が花盛りである。現実に巨大地震なんか起きないに越したことはない。
さて、気になっているアメリカのシリア介入問題だが、昨日午後2時(日本時間今朝3時)オバマ大統領は限定的攻撃を決定したと公式に発表した。では、いつ実行するのかと言えば、9日以降にアメリカ国民の意思を代表するアメリカ議会の承認を得た後に攻撃するという。アメリカという国は、これまで大統領が決定したら直ぐ実行したものだが、今回はアメリカ国民の間にも反対意見が根強いためか、説得力のある後ろ盾が欲しかったようだ。では、9日まで待つ理由は何かと言えば、議会が休会しているからというが如何なものかと思う。ことは急いでいる。なぜ、臨時に議会を召集してでも決議をして早く決着をつけようとしないのだろうか。どうもアメリカらしくない煮え切らない対応である。いまやアメリカに積極的に同調する国は少ない。それなら間髪を入れず決断すべきではないだろうか。ことの是非はともかく、決断というのはそうあるべきではないだろうか。