5993.2024年1月18日(木) 裏金に責任を取らない政治家と壊滅的被害の能登

 相変わらず自民党安倍派の裏金問題がすったもんだしている中で、岸田首相の派閥でもパーティ収入3千万円が収支報告書に記載されていなかった事実が明らかになった。東京地検特捜部では、元会計責任者を明日にも立件する考えである。これに対して当の首相は、内容については事務処理の疎漏であると承知していると述べた。これだけ問題が大きくなり国民からも注目されている事象について、首相ともあろう者が、惚けて事務方に責任を擦り付けている。派閥の親分衆は、皆揃いも揃って自分が派閥の会長でありながら、明かされた不祥事はすべて部下のせいにしているようだ。こういう国会議員が国民のために公明正大な政治活動を行うとはどうしても考えられない。

 ところが、驚いたことに今夕の記者発表で首相は、岸田派の派閥解散を検討すると述べたのだ。あまりにも唐突で自派だけは、派閥政治とは手を切ると言わんばかりの身勝手な言動に対して、党内外から大分反発があったようだ。自ら率先して党内の派閥解散を行おうと態度を一変させようとするのは、これはこれで結構だと思うが、一国のリーダーとして周囲に配慮しない行為は、聊か節操がないのではないかと思う。派閥の長は、全員自派の裏金について自らの責任とその経緯をはっきり説明すべきである。

 この泥沼のような派閥による裏金に釈然としない無派閥の議員もいて、今日無派閥で活動する中堅・若手議員の有志が新たなグループを立ち上げることになった。取り敢えず、赤沢財務副大臣以下13人が会合を持ったようで、今後自民党「政治刷新本部」に意見を反映させたい意向のようである。願わくば、この無色透明の若手組織が現在の派閥の二の舞を演じないよう願っている。

 さて、能登半島地震の甚大な被害に避難者の支援、及び救済について、県内外の自治体からも多くの支援部隊が駆けつけ、高齢者や身障者の安全のための支援に力を貸している。また、小中学生の集団避難などに大きな力となっている。

 壊滅的な被害を被った輪島市では、全国的に知られた朝市の原形が壊滅し、更に名器輪島塗の工房がすべて被害を受けた。輪島市をはじめとして、各市町村で津波や火災などによる家屋の損壊がメディアで大きく取り上げられ報道されている。しかし、沿岸部の地盤の隆起による災害の後遺症については、即支援をという声は盛り上がっていない。港で海底が隆起したことにより、投錨していた多くの小型船舶が破損したり、外海から港へ接岸出来ない状態になっている。このまま海底が隆起した状態だと、今後港はその機能を失い、漁師たちが職を失うことになりかねない。漁業組合の関係者も、これから復旧工事を行うことになっても船を移動させる場所すらなく、再開のメドは当分立ちそうもなく、このままでは輪島の漁業がなくなってしまうのではないかと苦悩の心中を語っていた。自分たちの今後の生計をどうやっていくのか頭が痛いとも述べていた。全体としてもちろん生命の危険を極力避けることを考えるのが第一だが、第二段階として罹災の後にやってくる自分たちの存在と生きるための生活をどう確保するかを考えていかなければならない。表面的には分かり難い実態を広く国民に啓蒙するよう、メディアを主とする多くの国民の知恵と奉仕を期待するしかないと思う。

2024年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com