5988.2024年1月13日(土) 貿易航路が紅海から喜望峰周りとは!

 一向に収まりそうもないウクライナとパレスチナ・ガザ地区の戦闘で、このところウクライナの攻撃がやや弱体化しつつあったのは、武器類の不足からで、そこへイギリスのスナク首相が唐突にウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領に4,600憶円の提供を約束した。これは過去2年間の年間供与を上回るもので、これによりウクライナも一息ついて攻勢に転じるのではないだろうか。

 一方、ガザ地区では、イスラエル軍の激しい攻撃により、罪もない民間人の死者が増えるばかりである。イスラエル軍の非人道的攻撃に対して、国際司法裁判所(ICJ)はジェノサイド(集団虐殺)を犯していると裁判の審理が始まったが、イスラエル側はハマスの先制攻撃によりイスラエル国民が虐殺されたので、ハマスを徹底排除するまでは戦闘を続け、南アフリカがICJに訴えたことは根拠がないと強く反発している。

 それにしてもいくら犠牲者が出ようとも戦争を止めようとしないネタニヤフ首相の強気の姿勢には、手の打ちようがないくらいである。アメリカも音を上げ、ネタニヤフ首相に何とか停戦をと呼びかけるが、首相は耳を傾ける気持ちはない。ひたすら我が道を往くである。この間にイスラエル軍がレバノンにある反政府組織ヒズボラの拠点を攻撃したせいもあり、イスラエルの周囲を取り巻くアラブ諸国のイスラエルへの対抗意識と憎しみは増幅するばかりである。そして、先日日本郵船のチャーター貨物船が紅海上でイエメンの反政府武装組織フーシ派に襲われて以後も、イスラエルへ物資を運ぶと見られた商船がフーシ派に襲撃され、昨年11月以降すでに27回も攻撃されている。一昨日アメリカとイギリスは、バーレーン、カナダ、オランダなどの支援を得てフーシ派の複数の拠点を爆撃した。

 この米英の攻撃に対して、フーシ派はアメリカとイギリスは犯罪的な侵略の全責任を負い、報復や処罰なしには済まされないと復讐を誓っている。加えて、イスラエルの船が紅海などを通るのを阻止し続けるとまで述べた。米英はフーシ派を国際的な航行の自由を妨げる障害と非難するが、フーシ派は米英こそイスラエルを守るために攻撃したとして、今後もミサイルやドローン攻撃を続け、紅海に機雷を敷設する計画もあるようだ。

 一連の戦争は、上記の通りイスラエルが攻撃を止めれば収まる可能性がある。しかし、イスラエルはハマスを壊滅させなければ攻撃を止めないと主張している以上、現実はこの戦争が停止、或いは収束に向かう可能性は極めて薄い。

 実は、紅海からスエズ運河を通るヨーロッパとアジア・アフリカを結ぶ貿易ルートは、世界の海上貿易の15%も扱っている。ここが危険になったため各国は止むなくヨーロッパからアジア、及びアフリカへの輸送にこのルートを避け、2千隻以上の商戦がアフリカ南端喜望峰ルートへ迂回せざるを得なくなった。このルート変更により大幅に日数と費用がかさみ、物流も停滞し、世界経済にも大きな影響を与える。

 イスラエルが政治的にも、経済的にももう少し世界的な見地から判断し、ガザ地区の攻撃を止めれば、事態は少し救われるのだが、頑固一徹のネタニヤフ氏がイスラエル首相として居座っている内は難しいだろう。

 さて、今日国立競技場で行われた全国大学ラグビー選手権決勝戦は、予想通り帝京大が明治大を34-15で破り、3連覇、9度目の優勝を飾った。今日の試合は、途中で予報通り急激に雨、霰が降り、雷鳴も激しくなったために、前半22分で落雷の危険を避けるために一旦試合を中断し、ほぼ1時間後に雨の中で再開された。こんなことは今まで経験したことがなかったので、少々驚いた。それにしても近年の王者・帝京大の強さは驚異的で60回大会の内、12回も優勝している。しかも9連覇という偉業まで成し遂げている。名門校としてかつては強豪ぶりを発揮していた早慶明は、帝京大の登場で影が掠れてしまったようだ。

2024年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com