2308.2013年9月7日(土) G20、成果なしのまま閉幕

 2日間のG20も慌しく閉幕となった。安倍首相は昨日閉幕前に明朝オリンピック開催地が決定するブエノスアイレスへ向かった。今回のG20はいつもに比べて、あまり力が入らない会議だったし、共同声明も中途半端なものに終った。シリア内戦に捉われ過ぎた会議だったと思う。議長国のロシアが主導権を握り、アメリカをシリア介入問題で孤立させる作戦は一応成功したが、さりとてロシアのシリア保護国というイメージばかりが先走ったように思う。いかにシリア国内に自国の基地があるとは言え、でき損ないの子どもを過保護にかばう親のような態度は少々異常である。ましてや仮にアメリカが武力介入したら、対応措置を取ると言ってみたり、今後もシリアに武器供与をするとの発言はいただけない。

 アメリカはシリア問題に関しては圧倒的に不利だった。これまでは国連安保理事会では「何事にも反対を貫く」ロシアや中国側に就く形となったドイツやイタリアまで、アメリカに同調しなかった。

 日本の態度は、介入には積極的に賛成はしないが、アメリカ政府の行動を理解するというアピールの弱いものになった。アメリカは11日の議会で政府提案の採否を問い、それによって行動に移すか、手を退くかとなった。

 武力介入に前向きのフランスは、今月末に出る国連調査団の報告書次第では武力行使をすると発表した。まだどうなるのか予測がつかない。この間に多くの難民が国外へ脱出している。難民のひとりが悲しそうに話していた。「世界中の誰も助けてくれない」。この悲壮な叫びをどう救ったら良いのだろうか。

 さて、昨日物々しい記者会見があった。その主はアニメ映画監督の宮崎駿氏である。最新作「風立ちぬ」が上映中であるが、長編アニメ映画の製作から正式に引退を表明した。ヒット作を次から次へと製作し惜しまれたうえでの引退であるが、こういう仕事師の心境というものがよく分らなかったので、まだまだやれるのではないかと思っていたが、それなりの悩みや苦しみがあったことを知った。宮崎監督はヒット・メーカーのイメージが強いが、1978年「未来少年コナン」以来最近まで35年間に11作品で、早くて1年、時間がかかる場合は5年を要するようだから、かなりの費用をつぎ込んで当るか当らないか分らない作品製作に賭ける気持ちがあると相当なプレッシャーを背負うことになるのだろうか。監督自身今後年齢とともにもっと製作に時間がかかるだろうと考えて引退を決めたと語った。骨身を削って仕事をしていたということだろう。

 政治家に爪の垢を煎じて飲んでもらいたいものだ。

2013年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com