5984.2024年1月9日(火) 気になる13日の台湾総統選

 昨日は正月休みで連休最終日だったせいもあり、高校スポーツ界の日本一を決める種目がいくつかあった。一昨日の全国高校ラグビー優勝校の桐蔭学園に続き、昨日は高校サッカーの日本一が決まった。また、通称・春高と呼ばれる全日本高校バレーボール男女日本一も決まった。優勝チームの学校名を見るとよく知られた校名ばかりである。サッカーは青森山田高が滋賀県代表校の近江高を3-1で下して、2大会ぶり4度目の優勝を飾った。バレーボールは、男子では駿台学園が福井工大福井高を破り、2年連続3度目の王者となった。一方、女子は高校総体、国体と3冠を狙った東京都の下北沢成徳を、岡山県代表の就実が降して2年ぶり5度目の頂点に立った。桐蔭学園をはじめとして、優勝圏内にある高校は私立校が占めるようになるばかりで、強豪校と弱小校との差が開いていくような気がしている。新設校を含めて今後も私立高校は、勉学より部活、運動部活動に力を入れていくことになるのだろうか。

 さて、今年は世界的にも国家のリーダーを決める選挙がいくつも予定されている。その筆頭はアメリカ大統領選であり、次いでロシアの大統領選である。アメリカでは、まだ立候補者も決まらない段階で、次期大統領の予測は不可能であるが、ウクライナと戦っているロシアでは、憲法を改正することまでして、その職に拘る戦争好きなプーチン大統領にほぼ決まりであろう。

 アジアでは、昨日バングラデッシュで総選挙が行われ、シェイク・ハシナ首相が率いる与党アワミ連盟が勝ったようだ。これでハシナ政権は、4期連続、5度目の政権を担うことがはっきりした。しかし、ハシナ政権はこれまで父親と同じように強権政治を行ってきたために、欧米からも憂慮されている。女性権力者として世界でも最も長い首相在任期間を過ごした首相は、初代大統領だった父親が暗殺されたように、常にその剛腕の資質を引き継いだせいか、度々暗殺の危機にさらされているという。今回の総選挙でも戦前から選挙不正を訴えた最大野党のバングラデシュ民族主義党が、選挙をボイコットしてライバル不在投票となったので、選挙前から勝利は予想されていたが、欧米からもその前途が懸念されている。インド洋という地政学上恵まれている位置にあるため、欧米、日本、そしてインドやパキスタンとの関係に苦慮している中国も関係強化を求めている。果たして野党にとって選挙ボイコットの結果は吉と出るのか、凶と出るのか。

 このバングラデッシュの他にも、今最も注目されているのが、13日に投開票される台湾の総統選である。親米派の民進党党首・蔡英文総統が2期8年の任期を終え、その後任を選出する台湾にとって重要な意味を持つ総統選である。蔡総統の後継者である頼清徳・副総裁と最大野党・国民党の侯友宜・新北市長、第3勢力の柯文哲・前台北市長ら3氏の争いとなる。総統選が以前に比べ、注目されるのは、台湾海峡を挟んだ中国との微妙な関係が最近懸念されているからである。アメリカは表向き、本音とは裏腹に特定の候補者を支持しないと表明しているが、蔡総統路線を引き継ぐ頼氏が選ばれれば、アメリカとの協力関係は一層強まる。だが、その一方で、中国からの圧力は加速されるだろう。仮に侯友宜氏が当選すれば、中国との対話が再開され、反面対米関係が悪化する可能性がある。

 同日行われる立法院選も総統選、及び今後の政界に強い影響力を与える。現在一院制、定数113名で、与党民進党は過半数の62議席を占めている。だが、最近の世論調査によるとどの政党も過半数を取れないと予想されている。その場合、蔡政権後の政権運営が不安定化して、台湾政府は中国とアメリカの谷間で難しい舵取りを迫られることになる。

 いずれにせよ日本にも近い台湾の前途を占う総裁選だけに、日本としても無関心ではいられない。その結果は今週末に明らかになる。

2024年1月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com