5983.2024年1月8日(月) 若者の政治的無関心が、裏金問題の遠因?

 今日、1月第2月曜日は「成人の日」である。我々が「成人の日」を迎えたのは、1月15日だった。2000年から今のように第2月曜日に代わった。今朝各地の成人式の様子をテレビで伝えていたが、福岡県北九州市では、以前からド派手なお化粧と衣装の新成人が式に参列すると話題になり、今日は市長まで少々派手な衣装を身に着けていたようだった。だが、彼らは少し勘違いをしているのではないか。これでは、「成人の日」ではなく、「未成年の日」と呼ばれかねない。大人と認められた今日、これまでの成長を祝い、これまで育ててくれた両親に感謝し、これから1人の社会人として独り立ちし、国民としての義務を果たしていく覚悟を誓い、自治体がお祝いする儀式だと思う。ところが、新成人たちは、そんな成人の儀式云々より自分自身が目立とうとして派手なパフォーマンスに熱中し、酔いしれているような印象を受けた。

 気になるのは、新成人たちが果たして国民としての義務を果たしているか、どうかということである。直近の調査によると、2021年10月に行われた衆議院議員総選挙の投票率は、10歳代=43.21%、20歳代=36.5%、30歳代=47.12%と言う具合に、10代と20代のヤングジェネレーションが特に低い。半数も投票所に行かないのだ。

 そして、22年7月実施の参議院選挙では、新成人となった18歳と19歳の投票率が、34.49%と大分低調だった。これは全体の投票率52.05%に比べても17.56%も落ちる。若者が国民としての権利と義務を果たしていないのである。これでは、18歳と19歳の若者を成人と見做して選挙権を与えた意味がない。そもそも彼らは選挙と言わず、政治活動にはあまり関心がないようだ。このことが、政治家をして議会をさぼらせ、真面目に議員活動に注力させない遠因となっている。今自民党内安倍派で裏金問題が話題となっているが、それは取りも直さず若者たちが折角与えられた国民としての義務を果たさず、政治家たちが真剣に業務に務めない原因のひとつとなっている。将来と言わず、今も日本の政治には民主主義をないがしろにする気風を育てているように思えてならない。

 昨日は日曜日だったが、その休日に東京地検特捜部は、安倍派の池田佳隆衆院議員、及び政策秘書を政治資金規正法違反容疑で逮捕した。自民党内最大派閥の安倍派は、党内衆院議員の1/4を占めている最大派閥である。安倍派の幹部議員もこれまで6人が任意で事情聴取を受けている。池田議員は、裏金としてキックバックされた4,826万円を収支報告書に記載しなかった行為が、寄付として記載して報告すべきをそうしなかったと疑われた。特捜部としては、収支報告書の作成義務が政策秘書に任せるところがほとんどであると睨み、議員と政策秘書が共謀していたと判断したようだ。それにしても約5千万円の裏金が暴かれたが、これは時効とならない5年間の裏金であり、裏金として追及されないそれ以前、仮に5年間とするなら、併せて1億円を懐に入れていたことになる。

 この現職議員の逮捕は、自民党内でも大きなショックだったようだが、これについて岸田首相は、いつも通り「大変遺憾で重く受け止める」と述べ、それ以上は応えなかった。また、池田議員自身も疑念が浮かび上がってから、雲隠れをして会期中だった国会にも出席せず、地元事務所でも所在不明と言う有様だった。こういう不真面目な議員が蔓延るのも、国民が政治に無関心だからで、とりわけ若者の政治的言動が問題だ。

 これをきっかけに疑わしい議員にまで手が回るかどうか、分からないが、これを突破口にして、疑念だらけの安倍派事務総長経験者の一部を逮捕するようなことがあるなら、野党やメディアの厳しい追及も相まって今の自民党を追い詰め、口だけの改革ではなく、真の改革へ立ち上がらざるを得ないだろう。当分の間特捜部と自民党員の動きに注目する必要がある。

2024年1月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com