5980.2024年1月5日(金) 朝日夕刊「素粒子」欄に思案投げ首

 今年は、能登半島の大地震に始まって年の初めとしては暗くパッとしない出だしとなってしまった。今日までに死者は92人、安否不明者が242人もいる。最大の障害となっているのは、道路に凹凸が出来たり、土砂崩壊で遮断されて車が走行出来なくなったり、海底には地震による岩礁が出来て貨物船が接岸出来なくなったことにより、必要な支援物資などが孤立した被災地に届けられなくなったことである。倒壊した家屋の下敷きになったり、家屋ごと落下して亡くなった人もいる。極めて悲惨な状況にある。他県から警察、消防隊が救助活動に協力したり、ボランティアによる炊き出しの協力など、多くの支援が行われている。それでもこの種のニュースが、今の世の中では徐々に薄れているだけに少しはホッとする。

 そんな折、今日の朝日夕刊「素粒子」に以下のように何を指して言っているのか、直ぐには分からないような話が取り上げられていた。

 「がれきと化した集落。津波が襲った漁港。道路は寸断。『壊滅状態』の珠洲市のいま。 ここに20年前まで『珠洲原発』の建設計画があった。住民の反対で凍結されるも、過疎の進む町で『もしも原発があれば』はくすぶり続けた。 『たらればの話』はせんないと言うけど。『もしも元日、それが稼働していたら』と考える意味は、いまある」。

 この「素粒子」がどういう視点から書かれたのか。原発があったら福島原発の二の舞と言う意味か。それとも原発があれば、停電なんかにはならず、多くの人びとが助かっただろうし、多くの人材と資材などで街の支援にもつながったというような意味も含まれているのだろうか。原発賛否について問うているのだろうか。まさか朝日が原発賛成とは思えないが、ちょっと悩まされる問いである。

 さて、26日から通常国会が召集される予定である。自民党は、裏金と派閥問題という難しい課題を抱えて、岸田首相はこれまで再発防止や派閥の在り方を検討したいと語り、令和6年が重要な1年になると見通している。そのために自民党の派閥や、議員が地検特捜部から捜査を受けている事態を踏まえ、今国民が最も求めている信頼回復と政治の安定を目指すと述べた。しかし、どうやって実行していくのか、まだビジョンが示されていない。一応裏金について国民から厳しい目を向けられていることに対して、自民党総裁として心からお詫びすると謝罪の言葉は述べた。

 そして、昨日年頭の記者会見で改めて政治への信頼回復こそが最優先の課題だとして、自民党総裁直属の機関「政治刷新本部(仮称)」を立ち上げると表明した。これには、党執行部をはじめ、若手議員、そして外部からも有識者も加わり、政治資金の透明の確保や、政策集団の在り方に関するルールを作るシナリオである。しかし、派閥の見直しは、麻生太郎副総裁や、茂木敏充幹事長など一クセも二クセもあるしたたかな幹部が、派閥会長を務めている現状から「政治刷新本部」で真っ当な議論が出来るかどうか疑わしい。入れ物は作っても中身がないのではないだろうか。

 支持率が下がりっ放しで党内における求心力が失われつつある中で、果たして首相の願いと意思が達成出来るだろうか。

2024年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com