5975.2023年12月31日(日) 退屈な「紅白」、除夜の鐘で2023年を送る。

 早いもので、今年も今日大晦日を迎えることになった。大晦日と言えば、NHK紅白歌合戦が年の終わりを締めくくるには、格好の行事であり、大人も子どもも楽しみにしていると思っていたが、近年は名も知らない歌手が知らない曲を歌うことが多く、あまり興味を惹かれなくなった。時代が移り変わったせいもあるが、曲調が演歌からJ-POP調になり、歌手も漢字よりも横文字や意味不明の名前になって、歌手個人よりもグループで出演することが多くなり、我々長期高齢者世代には中々付いて行けなくなってしまった。今日出場の歌手の名前もあまり知らない。お金をかけた派手な舞台で、ステージも随分移動して、歌を歌うというよりダンスを見せる感じで面白くなかった。演歌のように歌をじっくり聴かせるというわけではなく、聊か失望した。途中で他局に切り替えるほどだった。来年からは期待しないようにしようと思う。

 紅白が終わると、いよいよ除夜の鐘に送られて新しい年を迎えることになる。ところが、その108の鐘を突く音がうるさいと住民から警察へ苦情があって、東京都内のあるお寺では、今年は除夜の鐘を中止するという。このお寺では毎月2回早朝についてきた鐘の音がうるさいと苦情が寄せられていたという。それにしても年末の風情を伝えてくれる、旧年に別れを告げる煩悩を取り払う除夜の鐘が、騒音扱いされるほどうるさいものだろうか。近年は町会などで行う夏の風物詩、盆踊りなどへも苦情が寄せられるという。現代の住民感情だろうか、何か寂しい気持ちにさせられる。

 もう半世紀以上も前の1967年の大晦日は、第3次中東戦争直後でエジプトの首都カイロから運河の街スエズへ列車で向かい、車中でエジプトの人たちと歌合戦をやった。私はあの時、三波春夫の♪チャンチキおけさ♪をエジプト人の手拍子とお囃子をもらいながら歌った。そしてエジプト人からも地唄のお返しをもらったことが、楽しく懐かしい思い出として今も鮮やかに甦ってくる。あんな図々しく恥ずかしい行動が出来たのは、若さの故であろうか。あのような自由で楽しく自主公演の紅白歌合戦が出来たのは外国という土地柄で珍しかったからであろうし、もう2度と出来ることではない。あれから56年が経つ。あの第3次中東戦争はほんの6日間で終結となったが、今パレスチナの「中東戦争」は、すでに2か月以上も続いている。何とか2024年には戦火が止んで欲しいものである。

 今年亡くなった人の中にも懐かしい人が随分いる。作家では、大江健三郎、加賀乙彦、畑正憲、西木正明、音楽家では坂本龍一、ハリー・ベラフォンテ、外山雄三、KAN、社会学者では加藤秀俊、「山びこ学校」の無着成恭、メディアでは西山太吉、政治家では横路孝弘、青木幹雄、シルビオ・ベルルスコーニ、李克強、ヘンリー・キッシンジャー、竹入義勝、創価学会会長・池田大作、スポーツ選手では笹原正三、橋爪四郎、中西太、杉下茂さんらである。それぞれの人に懐かしい思い出がある。
 大晦日は1年の最後の日ではあるが、直に除夜の鐘を聞いたのは、横浜市内の妙蓮寺近くに住んでいた45年以上も前のことである。現在では九品仏・浄真寺に行けば煩悩を洗い流せると思うが、近くであっても真夜中に出かける気にはなれない。今日はNHK・TVで京都・知恩院の鐘を聞いた。

 いずれにせよ、来年2024年がトラブルのない世の中になり、個人的には自由気ままに健康な生活を送れるように望むだけである。

 2023年よ、「さようなら」、「Good-by」、「Adios」、「Au revoir」、「Auf Wiedersehen」、「再見」・・・。

2023年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com