5971.2023年12月27日(水) ラグビー花園大会出場のローマ字名高校

 今日から大阪花園ラグビー場で第103回全国高校ラグビー大会が始まった。全国から51校が参加して、来年1月7日に行われる決勝戦まで、1日置きに熱戦が展開される。51校の出場校を見ていて面白いなと思ったことがある。出場校の顔ぶれも各地の強豪校と呼ばれる高校が出場する。近年出場校がやや固定化してきて、念願かなった初出場校は僅か4校しかない。中でも珍しいのは、福井県代表校の若狭東と敦賀工の合同チームである。これは初めてのことである。残念ながら今日1回戦で、東京代表の目黒学院に62―7で敗れてしまった。その一方で、毎年のように連続出場する名の知れた高校も多くなった。42大会連続出場の佐賀工、33大会連続の石見智翠館、29大会連続の流通経済大柏、などである。

 高校でラグビー部活動に熱中していた当時、慶應高校が優勝したように神奈川県は全国的にレベルが高く、その後相模台工高が1980年代に入って強豪校として実力を発揮し、2度の優勝と2度の準優勝をして、その名を全国に知らしめた。その後2000年ごろから桐蔭学園が進出して両校同時優勝、及び連覇を含む3度の優勝、5回の準優勝、そして今春の選抜大会でも輝ける優勝校となった。

 この花園大会で今なお最も印象に残っているのは、1988年1月7日第68回大会決勝戦当日のことだった。その朝6時33分、昭和天皇が崩御されたのである。大会関係者もその日予定の決勝戦をスケジュール通り行うべきか、或いは延期すべきか、相当悩んだようだが、最終的に出した結論は、決勝戦を行わず、決勝に勝ち残った2校、茨城県代表校・茗渓学園と大阪府代表校・大阪工大高の両校を優勝校と決定した。

 この日を境に昭和から平成に移った。6月には中国では北京の天安門広場で暴動が発生し、当局が武力でデモ隊を鎮圧した。11月には、冷戦の象徴だったベルリンの壁が崩壊して、社会主義国家が雪崩を打つように崩れて東西対立が終わった。政治的にも新年度4月から消費税が導入されるという大きな節目の年ともなった。

 高校ラグビーも年々発展しているが、他の野球やサッカーなどのスポーツと同じように強豪校がある程度固まり、毎年同じ名前の高校が晴れ舞台に登場するようになったことである。学校が校名を知らしめようとする一貫として、スポーツ部強化に力を投入した結果である。これは公立校には難しく、花園は、概ね私立校が活躍する舞台となっているようだ。

 冒頭に面白いと思ったと書いたのは、57大会ぶりに復活出場することになった飯田OIDE長姫高の校名である。特に興味を惹かれたのは、校名にローマ字が混ざった県立高校であり、日本の公立高校でローマ字が入った高校は、この高校だけだそうだ。当高校は、旧飯田長姫高以来57年ぶり2度目の出場となったが、10年前に旧飯田長姫と旧飯田工業が統合され現在の校名となった。校名は両校のアイディアによって旧両校名の間にOIDEがつけられた。その謂れと意味とは、「O」はOriginality=独創、「I」はImagination=想像、「D」はDevice=工夫、「E」はEffort=努力、だというから随分凝った名前だし、これを校名として掲げるのも珍しいと思う。今大会では1954年選抜高校野球に優勝して日本中をアッと言わせた飯田長姫高校の再現、果たしてなるか。明日山口県代表高川学園と初戦を迎える。

2023年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com