5960.2023年12月16日(土) 大谷選手の記者会見と日大アメフト部の対応

 昨日行われたMLBドジャース入りが決まった大谷翔平選手の入団記者会見が、ドジャースの地元ロサンゼルスを中心にアメリカ国内ばかりでなく、日本でも1日中メディアで取り上げられている。昨晩のテレビ朝日「報道ステーション」では、冒頭から約45分間大谷トピックを集中的に取り上げていた。このため現在話題の自民党安倍派の裏金問題も影が薄れた感じだった。それにしても大谷翔平というプロ野球選手の存在感は、国際的にも群を抜いている。これは、もちろんプロの選手としての優れた実績の結果であるが、爽やかなイメージに真面目な性格、他人への思いやり等々、誰からも好かれる魅力を備えている。これほど人格の備わった選手は、スポーツ界にはあまりいないと思う。今日の朝刊にもかなりのスペースが割かれて、契約、及び今季のファンからの期待について大谷選手自身が語っている。

 大谷選手がドジャースと交わした契約の内容であるが、初めて知る内容だった。その特徴として、総額7億ドル(約1,015億円)という史上最高額の契約の他に、いくつかの付帯条件が付いていたことである。ひとつは、支払い方法である。契約金の内、200万ドル(約2億9千万円)を2024年から33年までに受け取り、残りの6,800万ドルは10年契約が終わった34年から43年までに後払いされる。それは、チームへの入団交渉中の他選手への契約金の制約問題が絡むようなのだが、幾分不利に思える契約も大谷選手がチーム強化のために敢えて申し出て行われたという。もう一点目立った条件は、オプトアウト(契約破棄)という条件を盛り込んだことで、その内容は、契約締結上世話になったドジャースのウォルター・オーナーとフリーマン編成本部長のいずれかが退団した場合、契約解除が出来るというものである。

 大谷は選手として来シーズン以降選手生活が終わるまで、ドジャースで優勝を目指してプレーしたいと語ったことが、ファンの心を掴んでいる。

 こういうプロの超一流選手のすっきりした記者会見に比べて、アマチュア、それも大学の体育会運動部の釈然としない決定には、失望している。それは、8月以来文部科学省までも巻き込んだスキャンダラスな日本大学アメリカン・フットボール部の今後の扱いである。とりわけ廃部か、存続か、が注目されていたが、昨日の理事会で「廃部」と決定した。その決定も理事11対9の僅差だったというから、存続させたい要望も強かったのだろう。日大アメフト部現役部員の存続希望の署名や、ライバル関西学院大学アメフト部の強い存続要望も通じなかった。ただ、まったく道が途絶えたわけではなく、来年度に現在の部とは関係なく、新しい部を立ち上げ、それを今後再起への道を図れるようルートは残されているようだ。これまでにも日大アメフト部には、トラブルがあった。今回の違法薬物事件は、20人の部員が共同生活を営む合宿所に、大学、或いはアメフト部の然るべき管理者が誰もおらず、部員だけに自主管理させていたことに最大の原因があると思う。これからの日大アメフト部の不祥事とその立ち直りは大学のみならず、他大学の運動部や、集団活動をする組織にとっても他山の石となることだろう。一人前の大人だからと管理を任せるのは結構だが、それを好いことに身勝手に行動させるということがあってはならないと思う。

2023年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com