5959.2023年12月15日(金) 0.415票差で当選の魔訶不思議

 選挙では誰しも自身が投票用紙に立候補者の名前を書いて投じた清き1票が、確実に1票と数えられると信じていると思う。それが、昨日東京高裁で4月に行われた東京都中野区議選では0.415票差で当選者が確定したとの判決が出た。この中途半端な数字がどうやって出てきたのか分からない。有権者が1票の投票権を与えられて投票したつもりが、半人前にもならない0.415票としか評価されなかったのである。1人前の権利を認めてもらえなかったことになる。この摩訶不思議な中野区議選は、定数42名の中で最下位で当選した伊佐哲郎(共産党)議員が、都選挙管理委員会による票の再点検の結果当選無効とされた。本人が都議管の採決取り消しを求めた訴訟を起こし、高裁から採決取り消しと認められたものである。

 そもそもことの発端は、伊佐議員が次点候補者を0.415票上回って最下位当選したが、次点候補者が異議を申し立てたことにある。区選管は異議を棄却したが、都選管は1票を無効票と判断し、伊佐議員の当選は0.585票差で無効とされたのだ。結果的に元のさやに納まったが、この意味不明の票差が問題である。誰にも分からないし、その記事にも書かれていない。

 しかし、それ以上に首を傾げたくなるのは、投票用紙に記入された当選者「伊佐哲郎」の名に関する解釈の相違である。名前はカタカナで書かれ、しかも正確ではなかった。「いさてつろう」ではなく、「いさしんいち」と記入されていた。普通なら、間違った時点で、無効となると思う。それが、このケースでは高裁が拡大解釈をした。他の立候補者の中に「いさ」姓も、「しんいち」名に類する候補者がいなかった。高裁の判断は、「姓は明確に記憶していたが、名は不確かで、誤記したと考えられる。この票は伊佐氏への票で、当選は維持される」と結論付けた。この結論の導き方もどうにも納得し難い。

 中野区と言えば、生誕地で本籍地でもあるが、こういうすっきりしない結果を中野区民は納得しているのだろうか。今以て1票が0.415票とされた理由が分からない。

 さて、選挙は結論が出ると、通常市民はそれにどうにか納得させられるが、どう考えても理解出来ない考えや結論がある。それは今世界中から注視されているウクライナへのロシアの侵攻と、パレスチナ・ガザ地区へのイスラエルの執拗な攻撃である。そこには、為政者、或いは独裁者の個人的な偏屈さがあまりにも露骨に表れている。まず、ロシアのプーチン大統領の戦争論である。ロシア人とウクライナ人は一つの民族であり、ウクライナ政権は「非ナチ化」と「非武装化」を追求しなければならないと主張し、ウクライナを併合するつもりである。プーチンの覇権主義が顔をもたげている。スターリンを尊敬し、独裁者スターリンの後継者になるつもりのようだが、スターリンは74歳でこの世を去った。いまプーチン首相は71歳である。余命は残り3年である。そろそろ腹を括った方が良いのではないか。

 また、イスラエルのネタニヤフ首相が、イスラム過激派組織ハマスを徹底的に攻撃し壊滅させると執拗に言い続けていることである。「国際的な圧力に直面しても、我々を止めるものではない」。例え、世界中から休戦の要請があろうと、犠牲者が出ようとハマスを駆逐するまで戦いを続けるとの強い意思により、同盟国アメリカの要望も無視しようとする強硬な姿勢である。利己的な独裁者が現れることによって、世界中が振り回されている。棲みにくい世界になったものである。

2023年12月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com