5948.2023年12月4日(月) 首相の党内統率と林理事長の大学管理

 昨日の本ブログで国会議員の悪質な法令違反であるキックバックについて批判したばかりだが、今日の朝刊で岸田首相が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関係者と面会したことが明らかにされた。初めて統一教会との自民党議員との接触が問題視された時、首相は、教団とは知る限り関係はないと応えていた。今回明らかになった接触については、首相が自民党政調会長時代の2019年に、党本部を訪問されたアメリカのギングリッチ元下院議長と面談中に、旧統一教会の友好団体「天宙平和連合ジャパン」のトップ梶栗正義議長が同席していた事実が分かった。この事実について岸田氏の事務所に問い合わせたところ、ギングリッチ氏とのプライベートな面談だったと応え、梶栗氏の事務所からは、いくら尋ねてもまったく返事がなかったという。結局岸田首相は、ウソを言っていたことになる。

 今朝になって岸田首相は、こういう自己弁護の回答をした。ギングリッチ元下院議長と面会した際に、「大勢の同行者がいたと記憶しているが、どなたがいたかは承知していない」と述べたのだ。梶栗議長は、面会した時に名刺を手渡したと語っていたが、首相の記憶にはないということである。法律を冒して政治資金パーティで金儲けをしたことや、多くの破産被害者を出した旧統一教会との接点はないと言ったことなど、いずれも虚偽だった。こういう人間失格の人物を日本の首相として戴いているようでは日本の将来に希望は灯らない。しかし、今の政治は、世襲政治家によって操られている。岸田首相も世襲である。先代以来の取り巻きによって庇護されている。結局普通の国民は、邪な心を持った世襲の政治屋どもに振り回されるだけなのだろうか。これから先が一層心配である。

 さて、自民党内をまとめきれない岸田首相と同じように、理事長として日本大学をまとめられない林真理子氏の記者会見が、今日午後日大本部で開かれた。違法薬物事件という最高学府内で起きたとは思えない日大アメフト部の不祥事について、その後の大学の対応に疑念が集まっていたので、林理事長も漸く神輿を上げて会見を開く気になったのだ。流石に関心が高いだけに報道陣は110人超、テレビカメラが19台も集まったという。何せ運動部内で3人の逮捕者が出てから先月1人が書類送検されている。

 会見の冒頭林理事長は謝罪した後、先月文部科学省に提出した内部統制監査部署の新設や、ガバナンス体制の見直し、競技スポーツ部の管理体制の再構築などの改善計画について説明した。最も関心を抱かれた、薬物とはまったく関係のない部員らや、他大学のアメフト部からも存続を要望されていた廃部については、継続審議をすることで結論を持ち越した。自身の引責辞任については、改革の途中を理由に否定した。

 改善計画には「アメフト部のことはアメフト部内で収める」といった「ムラ意識」が秘密主義を生み出した点など、組織風土の問題も指摘されていた。一部には、疑念を抱かれていたアメフト部の監督は出席しなかったし、監督に対するコメントも話されなかった。まだまだ改善計画も途上にあると言えよう。一旦落ちた信頼をこれから大学当局はどうやって取り戻すことが出来るだろうか。お手並み拝見と行こう。

2023年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com