2319.2013年9月18日(水) 無駄遣いの2横綱

 去る14日の本ブログに2020年オリンピック東京開催に際して新設される競技会場の無駄について書き込んだところ、その提言に多くの方々の賛同をいただいた。昨夕もペンクラブの仲間から賛成してもらった。オリンピック景気に浮かれて、この際とばかり泥縄的に無駄遣いをして新しい施設を作ってしまおうという反財政再建派の悪乗りである。この悪乗りに注意を喚起する声が、どのメディアからも叫ばれないということも異常だと思っている。

 ところが、やはりまともな人もいる。残念なのは、それが日本人ではなく、外国人であることである。日本人は有頂天になって目が見えなくなってしまっている。恐らく予算を獲得した人、競技場に自分の名を残したい人が、一切を考えず新しい競技場を建設して手柄話として自己満足に浸りたいのであろう。

 この盲目的な五輪至上主義にブレーキをかけてくれたのは、今来日中の国連世界観光機関(UNWTO)タレブ・リファイ事務局長である。氏ははっきり「新しいインフラを作る必要はない」と言い切っている。五輪に向けたインフラについて「道路や鉄道などの交通網は整っており、既にある公共施設や接客サービスなどの改善に努めるべきで、新しいインフラや観光施設をゼロからつくる必要はない」とはっきり言っている。東京都のみならず、政府からの資金を当にしている五輪招致委員会は、こういう声をどう受け止めるのか。まだ先のことではあるが、今だからこそ見直せる点はある。無駄遣いは潔く止めて、旧来の施設で使えるものは補修して使用し、他に資金不足でどうにもならない待ったなしの事象への支出にこれら五輪費用を回してもらいたいものである。

 このオリンピック便乗建設に歩調を合わせるかの如く、今日JR東海がリニア中央新幹線の計画概要を発表した。2027年に品川~名古屋間286㎞の開業という計画それ自体より、何と9兆300億円(朝日新聞)という莫大な投資額をJR東海1社だけで負担するという大博打に驚いた。こんな大金がどこから生まれてくるのだろう。果たして投資に見合うゲインがあるのだろうか。現状では、全長300㎞近い路線のうち地上箇所は僅か40㎞程度で、ほとんどがトンネル内で駅も地下40mにあるという異色の鉄道となる。最高時速505㎞で品川~名古屋間を最速約40分で走破するという。便利には違いないが、はっきり言ってこんなに急いで移動する必要があるのだろうかと首を傾げざるを得ない。現在の新幹線が事故もなく安全に、しかもスピードも速く対応している現状を差し置いてまでして、これほどの大金を注ぎ込んで新しい代用品を作ることが、必要だとはとても思えない。

 現代無駄物語、2席でござ~い。

2013年9月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com