5947.2023年12月3日(日) 法を犯して金儲けに執着する国会議員

 岸田内閣の支持率が過去最低を記録し相も変わらず低空飛行を続けている最中に、自民党内の派閥の中でも有力な派閥の会計責任者らを、先月神戸学院大の上脇博之教授が政治資金規正法違反容疑で告発した。

 とにかく真っ当な国会活動をしない悪賢い政治家が増え、近年彼らは国民をないがしろにして金儲けのために政治活動をやっているのではないかとの印象が拭えない。つまり金儲けのための政治屋である。政治家の「資金集めパーティ」は、政治資金規正法により収支報告書に記載するよう義務づけられている。ところが、2018~21年の収支報告書には、安倍派1,900万円、二階派950万円、茂木派600万円、麻生派400万円、岸田派200万円、計約4,000万円もパーティ券収入分が記載されなかった。上脇教授は、これはほんの氷山の一角だと不信感を募らせていたが、東京地検特捜部が疑問を抱き、内偵を進めていたところ自民党の最大派閥である安倍派(清和政策研究会)が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた収入を裏金として組織的に議員にキックバックしていた疑いがあることが判明した。特捜部は、大掛かりで意図的だとして政治資金規正法違反容疑で立件すべく調査中である。

 安倍派のケースでは、派閥の収支報告書には、収入として議員のノルマ分だけを記載し、それを超えた分は収入に記載せずに議員側にキックバックして、派閥の支出としても記載せずに運用していた。キックバックを受けた議員側も自らの政治団体の収入として記載せずに、ノルマを超えた分は裏金になっていた。

 そして今朝の報道によると安倍派の裏金作りに次いで、二階俊博元幹事長の派閥・志帥会でもパーティを巡る収支報告で巨額の不記載が明らかになった。その金額は、直近の5年間で安倍派と同じく1億円を超えるものと見られている。東京地検特捜部は、安倍派に続いて二階派にも政治資金規正法違反容疑で立件を視野に調査を続ける。他の派閥の違反もいずれ露見して摘発されるだろう。

 それにしても最大派閥である安倍派による組織的な裏金作りは、衝撃的であり悪質でもある。そして、派閥の中で権限を発揮できる事務総長らは質問に対してはっきり応えず、一層疑念を深めている。松野博一官房長官は「政府の立場での答えを差し控える」であり、西村康稔経産相は「個々の政治団体の話で、政府の立場としてのお答えは差し控えたい」で、塩谷立元文科相に至っては、キックバックの仕組みはあったと思うと述べた直後に、事実を確認しているわけではないと前言を撤回し、その後、これから事実を確認すると語り、最後には今日の取材はお断りするといった案配である。皆言い訳を考えたが、中々悪知恵が思いつかずに「逃げの一手」で答えようとしない。

 「キックバック」という言葉について今朝の「天声人語」氏によると、その意味が直ぐには分からなかったようだが、我々旅行業界人にとっては使い慣れた言葉で、航空会社とよくキックバックのやり取りをしていたものだ。ただ、悪人政治屋らと異なり、我々はキックバックで得た収入を必ず、収入として計上し、航空会社でも支出として計上していた筈である。国民を騙し、こっそり法の網をかいくぐって組織的に私服を肥やすような悪事を重ねるのは、悪漢政治屋だけのようだ。はっきり言って世の中の極悪人は政治屋である。今朝のTBS[サンデーモーニング]で政治評論家の寺島実郎氏は、国会議員を3割削減するべきだとはっきり言われた。大賛成である。

2023年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com