5927.2023年11月13日(月) 優秀な中学生が公立高校に入学しない。

 昨日講演をした会場に、途中から母校・湘南高校校長が来場され、母校の現況についてかいつまんでお話をされたが、その折に公立高校の受験についてこんな話をされた。それは、今小学生が私立中高一貫教育校の中学校を受験・入学してそのまま高校へ進学する傾向が強く、公立高校を受験する優秀な中学生が少なくなったという話だった。特に神奈川県は東京都と同じような問題を抱えている。そこで県内の公立高校ではその対策として、小学生対策を考え始めたそうである。昨日も校長はその会合に出席した後で同窓会支部総会に出席された。受験競争もひところのように塾へ通って受験勉強に勤しむような傾向は薄れつつあると考えていたが、その奥深いところで受験競争は別の形で進んでいたのだ。実際自由が丘駅周辺には、‘SAPIX’など中学受験学習塾に小学生が大勢通っている姿をよく見かける。少子化とは言え、受験戦争は相変わらずホットで子どもたちにとっては、大きなハードルとなっているようだ。多くの優秀な中学生が母校を受験して、入学してくれることをOBとしては期待している。

 さて、次は大学運動部の不祥事についてである。日大アメフト部の大麻事件がその事後処理と大学側の対応の不手際を巡って、大学執行部の運営管理問題にまで発展しているが、それでも死者が出るような事態にまでは至っていなかった。ところが先月明るみに出た近畿大学剣道部では、酒のうえのことから遂に死者が出てしまった。驚いたのは、事件の際飲んだ過剰なアルコール量である。未成年者1人を含む6人の剣道部員が飲み屋で飲んだアルコールの分量は、とても並みではない。ビール10杯、レモンチューハイ12杯、赤ワイン13杯、日本酒18合、サワー酒2杯、梅酒5杯、焼酎3杯というから驚きで、如何に酒好きとは申せ、6人の大学生が飲むには大量過ぎるのではないだろうか。挙句に酔っ払ったひとりが、仲間を殴り死なせてしまったのである。

 近年大学運動部には、不祥事が続出している。219大学が加盟する「大学スポーツ協会」の調査によると、過去10年間に運動部員が処分された不祥事は、76件もあったという。その背景には、大学による運動部の管理体制が、緩いことが原因として挙げられている。どうしても学生自治の原則があるために、運動部の運営に大学側が口を出し難いという。また、個別にはスポーツ中心の生活になる運動部員は、社会との接点が希薄になり易いとも言われている。スポーツ強豪大学の運動部員には、合宿所と練習場間を往復するだけの毎日が当たり前になっていて、授業に出席せず、社会とのふれあいもなく、個人主義的な生活を檻のような中で送り勝ちになる。スポーツだけが取り柄の大学生は、仮にそれを止めれば存在感のない学力不足の大学生となってしまう。これでは、もしスポーツの力が伴わなかった場合には、落伍者になってしまう。大学にとっても由々しき問題である。

 ところで、国会議員の不祥事でこんなふざけた事態があった。ほんの4日前に神田憲次・財務副大臣の固定資産税滞納問題が発覚して、政務3役の不祥事続きにより3人目の辞任から思いきや、当人は職務の遂行に全力を尽くすと開き直っていた。しかし、税金関係の本家本元の財務相の№2が冒した脱税については、野党のみならず与党内からも批判の声が上がっていた。その神田副大臣が今日になって辞表を提出した。実情は更迭のようである。辞任の弁も「国会運営にこれ以上、迷惑をかけられない」というものであるが、税金滞納の自身の責任を取るとは一言も言わない。これでは、自らの罪を逃れ責任転嫁しているようなものではないか。それにしても「適材適所」と岸田首相が9月に新政務3役を任命した時は胸を張っていたが、「不適材不適所」となってしまった。岸田号はこのまま下り坂を下りっ放しとなるのだろうか。

2023年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com