5926.2023年11月12日(日) パレスチナについて異なる視点から話す。

 11 月3日85歳の誕生日に依頼された講演を今日行ったが、僭越ながらも、まずまずお役目を果たせたと思う。講演したのは、7月末以来である。母校・湘南高校同窓会の神奈川県大和市の湘北支部本年度総会の行事の一環として、もうひとりの講師、アマチュア講談師とともに時間を半々に分け合って行われた。私の講演タイトルは紹介者の希望もありタイムリーな「パレスチナ・イスラエルの紛争の原因」とした。中東問題の専門家でもなく、研究者でもなく、あまり詳しく解説するほどの知識もないので、この紛争の実態を知ることが出来るのは、日ごろから臨場感なしには難しいと考えているので、私なりに持論の要点を3つほど絡ませたいと思った。それは、1つには、臨場感の大切さ、2つ目はイスラム国に囲まれいつもその圧力を感じるイスラエルの立場、3つ目は、戦争の恐怖と不安、というような点を主題と絡ませながら話を進めた。私の武者修行中の危機一髪の体験も話すことによって臨場感の大切さを分かってもらえたと思っている。講義中に聞き手が興味深そうに耳を傾けてくれていた表情を見て安心した。講演後何人かの人に聞いてみたら反応は良かったので、ホッとした。今日の講演を紹介してくれたのは12年先輩で今年95歳になる酒造会社の経営者である。お世辞もあるだろうが、良かったと仰っていただいた。

 途中から仕事を終えられた校長も出席されたが、一番驚いたのは、母校OGでもある初代赤木愛太郎校長のお孫さんが、杉並区荻窪から出席されたことである。赤木先生は母校創立時の校長で、極めて稀なことだが、27年間もの長期に亘り校長を務められた。赤木先生の銅像が教職員室の前に建てられて周りは小綺麗に整備され「赤木苑」と呼ばれている。先生は、当時一流校だった新潟長岡高女の校長だったのに、敢えて新設される母校の初代校長になり、母校を日本一の中学校にするとの強い意思と熱意で、今日文武両道の母校の校風を確立された功労者である。特に今日講談師が話された「赤木愛太郎校長一代記」では、母校の建設場所などについても、当時の藤沢町町長とともに関係筋に交渉して結果的に現在地に建設されることが認められたと話された。また、校歌についても、他校の素晴らしい校歌の作詞者、作曲者を調べて、北原白秋作詞、山田耕筰作曲以外は考えられないとして、お2人に直接お願いし、母校にも来ていただき環境、風景、などを実際に知っていただいてあっという間に作っていただいたという話だった。

 われわれの在校時代にも生徒は皆見ぬ赤木先生を尊敬し、恰も創立者の如き扱いは、県立高校としては少々異質であったかもしれない。それでも母校では、今でも何かというと赤木先生の噂話が出てくるというのは、やはり人格的にも秀でていて多くの生徒たちが慕っていたからだろう。残念ながらご存命中にお会いしたことは無かったが、創立時の校長がこのように立派な方だったことを母校とともに大いに誇りにしたい。

 さて、今日びっくりするようなニュースを知った。先日プロ野球・日本シリーズで59年ぶりとなった関西チーム同士の対決が、関西地区を盛り上がらせ、セ・パ両リーグの阪神とオリックスが優勝したのを祝い両チームの優勝祝賀パレードを行うことに、大阪の経済団体や、大阪府と兵庫県などが作る実行委員会が寄付を募った。それはそれで好いと思う。問題なのは、その寄付を大阪府が教職員を主に公務員へ3千円以上、更に交通誘導のボランティアを募り、あくまでボランティアということから交通費など一切支給しないというのだ。プロ野球のお祭り騒ぎによくぞこんな乱暴で半強制的な指令を公務員に出すものである。いかにも大阪らしいと言えば、そうかも知れないが、プロ野球ファンでもない公務員らはどうしたら良いのか。大阪府の良識と判断力はここまで落ちてしまったのか。

2023年11月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com