5924.2023年11月10日(金) ガザ攻撃、1日4時間の休戦とは?

 このところ連日に亘ってイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃の様子が、メディアを通して伝えられている。荒れ果てた瓦礫の中を逃げ惑う子ども連れの家族の様子などは、とても見るに忍びない。あまりにも非人道的な住民への攻撃に対して、世界中からイスラエル及びハマスに対して厳しい非難の声が浴びせられている。国連はグテーレス事務総長が非人道的な攻撃に対して口頭で非難する以外に、これという有効な手を打てない。イスラエルのあまりにも容赦ない攻撃に対して、流石にアメリカも同国へ停戦を求めているが、ネタニヤフ・イスラエル首相は、停戦を受け入れる気持ちは毛頭ないようだ。

 そんな時に今朝になってビッグ・ニュースが入って来た。アメリカのホワイトハウスが、ガザ地区へ地上侵攻を続けているイスラエル軍が人道目的のために1日に4時間に限って戦闘を休止すると発表したのである。そして、その戦闘休止は実施の3時間前に発表される。これまで休戦とあれば、普通は日数による期間を決めていたものだ。それが今回は1日4時間などと時間を区切り、それ以外は戦闘は連日続くという中途半端な休戦には、呆気にとられる。まるで戦争ごっこである。この4時間の間に避難させるという主旨のようだが、一種の「取り敢えず休戦状態」にする世論操作のような気がしている。アメリカがイスラエルと協議した結果、一時的休戦は現地ガザ地区北部で9日から実施されることに決まったそうだが、アメリカもよくぞこんな中途半端な休戦に納得したものである。イスラエル軍は、ガザ地区内のハマス地下都市にある数百mに及ぶ地下トンネルを大分破壊したこともあり、一定の成果は上げたものとして、支援国アメリカの声を聞き入れ一時的に攻撃の手を緩めることにした。

 アメリカからの強い要請があったが、イスラエルとしては自発的に一時的休戦を行うものではなく、当分の間渋々要請を受け入れて休戦の期間についてはアメリカも知らされていないようだ。基本的には戦闘行為は今後も続けられるということであり、まだまだ犠牲者が出てくる。ネタニヤフ首相とハマス両者には、今では戦闘行為を続けることに意地のようなものを感じる。

 ついては、このほどNPO紙「世界遺産物語」に「負の世界文化遺産・アウシュビッツ」と題してアウシュビッツ収容所について拙稿を書いたが、実はこの収容所内を見学した際に、ナチスによって否応なく地獄に突き落とされたユダヤ人の怨念のようなものを感じたものである。今朝の「天声人語」に次のような言葉が紹介されていたのを見て、何となく納得がいった。そこには次のように書かれていた。

 「ぞっとするようなホロコーストからくむべき教訓は、私たちも犠牲になりかねないということではなく、私たちも加害者になりうるという自覚だ」

 今パレスチナ・ガザ地区で行われているイスラエルによる激しい攻撃は、ホロコーストによって地獄を味あうことになったユダヤ人による執拗な逆恨みであるように思えてならない。決してあってはいけないことである。まぎれもなくホロコーストによる被害者のユダヤ人が、今度は加害者に成り代わったおぞましい姿であると思う。

2023年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com