5921.2023年11月7日(火) 人類は戦争も、地球沸騰も解決できないのか?

 先月7日にパレスチナ・ガザ地区からイスラエル領内に突然ロケット砲が撃ち込まれ、多くの犠牲者を出し、その仕返しで始まったイスラエルとイスラム組織ハマス間の激しい攻防は、今日でちょうど1か月が経過した。今その戦闘は激しさを増し、連日イスラエル軍によるガザ地区への空爆が続き、この数日前から陸上からも攻撃を加えて世界中の注目と関心を集めている。そのせいもありこれまでウクライナに対するロシア軍の侵攻もここへ来て影が薄くなり、ウクライナにとって欧米からの支援も今までのようには期待出来なくなってきたのではないかとウクライナは憂慮している。一方でロシア・サイドはほくそ笑んでいるのではないだろうか。

 今度の双方の戦闘ぶりを見てみると、イスラエル軍の徹底的に相手を壊滅させるとの激しい攻撃には他の戦争には見られない執念のようなものを感じる。ハマスはテロ組織であり、同じパレスチナ暫定自治政府とは言え一線を画している。イスラエルのハマス壊滅作戦は、憎悪の塊となり一般市民が犠牲になろうとも手段を選ばず攻撃する怨念のようなものである。支援する欧米側にも戸惑いが感じられる。イスラエルのユダヤ人社会は、ドイツを始めEU側にはナチス・ドイツによるアウシュビッツ収容所のホロコーストという苦い歴史を想い出させ、それがトラウマとなり、どことなくイスラエル批判に遠慮がちになることであり、全般的にイスラエルに対して強い制約を加える動きが感じられない。更にイスラエル建国史上イギリスやフランスが行ったユダヤ人とパレスチナ人それぞれに約束した国家建設の二枚舌、或いは三枚舌外交が、大きなくびきとなり、今も西欧にとってはストレスになっている。一般市民だろうとテロリストだろうと殲滅させるとのイスラエルの排他的な強硬論は、ホロコーストの仕返しであろう。それは今も現代のイスラエル人に引き継がれ、その勇み足はイスラエル政府閣僚が、原爆投下も選択肢の一つだとの暴論を述べるほどエスカレートし、この過激発言については、人質や行方不明者の家族が無謀で残酷だと非難し、流石にネタニヤフ首相も当該閣僚の閣議への出席を当分凍結すると語ったほどである。怖いのは、その発言が本音から出た言葉であることである。

 今上記のような事情から欧米諸国は、自らの発言に神経質なほど気を遣っている。ガザ地区の住民に同情しつつ、ハマスに支援する気持ちはなく、イスラエル政府を支援したい。されどイスラエル軍のガザ地区の一般市民や難民とハマスを問わない激しい徹底的空爆作戦には、反対せざるを得ず、イスラエルとガザの谷間で右往左往している状況である。

 一時停戦、或いは休戦の提案が国連で提案されたが、いずれも否認され、国連の機能も充分果しえず、毎日死者が増え続ける一方である。今仮に休戦になったとしても多数の犠牲者を出したことについて、多くの反省と補償問題が生じることだろう。アメリカは来年行われる大統領選挙で、頭がいっぱいのようである。世界のどこにもこの地域戦争を止めさせる人物はいない。混乱の世の始まりであり、末法の世の出現である。このまま当分の間決着がつかないことだろう。一刻も早く停戦が実現することを、エルサレムを聖地とするキリストとアラーの神に願うばかりである。

 ついては、今日も暑かった。関東一帯が夏日となり、この11月になって東京都と千葉市では11月としては過去最高の27.5℃を記録し、小田原市では28.1℃、甲府市は28.4℃、いずれも過去最も高温の1日となった。暦のうえでは、明日8日は二十四節気の「立冬」である。立冬1日前が夏日とは、地球温暖化はいよいよ止まる気配がないようだ。

2023年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com