5918.2023年11月4日(土) 警察官は他の職種に比べて厚遇

 毎月届けられる東京都広報紙11月号によると、東京都職員16万9千人の昨年度の給与総額が、実に15,893億円に達するという。私が大学1年生だった昭和34年の国の一般会計歳出予算、14,192億円を遥かに凌ぐ支出である。東京都の人口は1千4百万人の大所帯だから総額が多いのは理解出来るが、内訳を見て意外だと思ったのは、多種多様の業務の中で警察関係者の給与が一番高かったことである。給料にボーナスなど諸手当を加えた給与が平均月額でひとり524,686円だった。これは、一般行政、警察、小中学校教育、高等学校教育、技能労務の職種の5つに分けられた職種の中でも最も高い。しかも、これら5つの職種の職員の中でも警察官の平均年齢が39.8歳で一番若いのだ。ただ、平均給料は、5つの職種の中で中間の3番目であり、結局諸手当が多いというということになる。つまり、他の職種に比べて残業や非常勤業務が多いということだと思う。仕事柄唐突に呼び出されて非常勤の仕事を行うケースが多いということだろうか。

 今時間外勤務の多い小学校教員の数が足りず、採用試験でも応募者が定員に満たないという話を先日聞いたばかりであるが、その小学校教員よりも時間外勤務が多いという。現場の警察官の仕事は、24時間制勤務でもあり、仮に非番であっても突然呼び出されることもあり、加えて他の職種に比較して夜とか、危険な場所に赴かなければならないケースもある。そのご苦労は大変なものだと常々察していたが、給与面である程度カバーされていることを知り、意外ではあるが、ある程度納得することは出来る。

 さて、相変わらずイスラエル軍のガザ地区への攻撃が激しい。一昨日には、イスラエル軍はハマスの中核であるガザ市の包囲を完了したと発表した。ガザ地区を南北に分断し、ハマスがいる北部を徹底的に攻撃してハマスを壊滅させようとの意図が明らかである。当然南地区へ避難出来ない人々は、攻撃の対象にされる。

 この戦争は、2001年ニューヨーク同時多発テロの後に、アメリカ軍がテロの首謀者を匿っていたタリバン政権のアフガニスタンに対して戦争を開始したが、それに似ているという話を最近よく聞く。当時のアメリカ軍と同じように、ガザ攻撃では圧倒的な軍事力を有するイスラエル軍が、攻撃を執拗に繰り返しているのだ。この2つの戦争の結果は、どういう結末になるのか。アフガンではアメリカ軍が泥沼にはまり、テロ20年後の一昨年無残にも撤退した。今アフガンにはタリバン政権が復活して、民主主義とはかけ離れたイスラム政権・タリバンが再び国民から自由を奪っている。

 少々気がかりなのは、イスラエルのガラント国防相が「イスラエルがガザの暮らしに責任を持つことはなくなる」と冷たく言い放ったことである。散々ガザ地区を攻撃しておいて地区を破壊した後に、何らの復興計画にも協力しないと述べたのだ。イスラエルには、アフガンにおけるアメリカ軍の部隊撤収の二の舞を演じる不安がある。

 ガザ地区に住むパレスチナ人は、1948年のイスラエル建国により故郷を追われた難民たちである。彼らを救う手立てをイスラエルは考えようともしないのだから、今後各国もイスラエルへの支援に二の足を踏むのではないだろうか。アメリカのブリンケン国務長官がイスラエルを訪れ、戦闘停止を求めたが、これにも応えようとしない。これでは和平なんて訪れることは期待出来そうもない。

2023年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com