5914.2023年10月31日(火) 国会は、世間知らず、苦労知らずの集会場

 今岸田首相への支持率は過去にないほど低く、初めて危険水域である26.9%にまで落ち込んだ。それも一時的なものではなく、支持率は6か月連続で下がり続けているという。反対に不支持率は51.8%で、これでは解散・総選挙を視野に入れている自民党幹部も気が気ではないだろう。

 今不人気の最大の原因は、首相の言わんとしている「減税」と「給付金」が、国民にとってあまり恩恵とは受け取られていないからである。政府が考えているのは、1人当たり4万円の減税と言われているが、所得税3万円と住民税1万円を合わせた4万円に、住民税非課税世帯(約1,500万世帯)に1世帯当たり7万円を給付する案のようである。但し、これは1回限りである。野党は、もっと永続的で日常生活において消費者が恩恵を受ける消費税の減税を行うべきだと主張している。この2年間に税収が増えたことから、政府は消費者物価高騰に悩まされている国民に税収分を返還しようと安易に考えながらも、腹の内では来年度以降の防衛費の増額分をカバーするために増税しようとの下心があるからである。国の借金を返そうとの考えはさらさらないようだ。どうも一時的に2兎を追っている。こんな考えでは、いくら資金があっても足りない。

 ところで、政治家というのはどうしてこうも世間常識に欠けているのかと思うことがしばしばある。4月に行われた統一地方選で東京都江東区長に初当選したばかりの元衆議院議員の木村弥生区長が、追い込まれてついに辞任すると述べた。区長選中に動画投信サイトで投票を呼び掛ける有料インターネット広告を出したことが、公職選挙法違反に問われたためである。立候補する以上何が公職選挙法に違反するか、なんて当然調査済だと思う。それを敢えて冒してまでも広告を出すとは、ばれずに当選すると思っていたのだろうか。だとすれば、世間を甘く見過ぎてはいないだろうか。また、立候補するに当たって、成すべきことと行ってはいけないことぐらい候補者本人と周囲の支援者は当然知っていた筈である。

 その上、区長に投信サイトへの広告を勧めた愚直な衆議院議員が他にいたことが分かった。同じ穴のムジナ議員は、法務副大臣の柿沢未途議員である。柿沢氏は自らの責任を認めあっさり副大臣辞任を申し出た。柿沢氏が木村区長に動画広告を勧めたからということである。2人で同じように公選法違反を犯し、見つかるまで惚けていたことになる。

 柿沢氏と言えば、父親は柿沢弘治元外相で、祖父は日本銀行元副総裁、遠縁には湯川秀樹博士もいるというから代々に亘ってサラブレッドである。自身も東大法学部を出た俊秀ではあるが、学校の秀才必ずしも社会における英才ではないことを知るべきである。名前の「末途」は「末路」と似たり寄ったりではないか、いよいよ追い詰められたか。所属政党を転々として定まらず、今では自民党員ではあるが、かつて日本維新の会に所属していた当時、維新の会創設者である橋下徹氏に日本の政治家の中で一番判断力が弱いとこき下ろされたこともある。

 先週山田太郎・文部科学政務官が辞任したばかりで、短期間に2人も政務三役が職を辞することになった。野党からの追求も厳しく議員辞職を求める声もあり、流石に首相も任命責任を感じると述べた。これでは、政治家のレベルの低さを世間に知らしめることになり、岸田人気は益々下がる一方である。

2023年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com