5911.2023年10月28日(土) 渋谷ハロウィーン前哨戦と日本シリーズ

 毎年多くの若者たちが、街へ繰り出して騒ぐ光景が目立つようになった。特に最近は、ハロウィーン期間中のJR渋谷駅前スクランブル交差点周辺の人だかりである。今月31日のハロウィーン(Halloween)を迎えるに当たって、仮装した若者たちがスクランブル交差点周辺でアルコールを飲みながら嬌声を上げ、街の人びとの顰蹙を買っている光景が年々エスカレートしている。その前触れ現象が、昨夕からぼつぼつ表れ始めた。最近暴力的行為や、路上飲酒による瓶や缶の投げ捨てなどで地元に多大の迷惑をかけ、手を焼いた地元商店会が、渋谷区とともに、昨日から11月1日までは、極力渋谷へは立ち寄らないよう渋谷区長名でメッセージや、You tubeで英語版の動画を発信する有様である。狭いエリアで大勢の人が密集し、あまりにも危険と考えられていた時、1年前の明日韓国ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)の狭い路地で多数の群衆が押し合いへし合いの挙句に、159人もの犠牲者を生む大惨事を引き起こしてしまった。

 それらの事故を踏まえて今年は、渋谷でもその期間中路上飲酒は禁止され、界隈の酒類販売店で酒の販売を自粛するよう警告が出された。少々厄介なのは、この渋谷ハロウィーンを楽しみにして訪日する外国人観光客がかなりいることで、路上で飲酒し、飲酒禁止のルールを知らない彼らに商店会の人が説得する場面が散見される。

 そもそもハロウィーンは日本では、一般的には40年ぐらい前から知られるようになってきたが、それまでほとんどの日本人は知らなかった。実際私自身1985年10月下旬に旧文部省・兵庫県海外教育視察団にお供した際、アメリカでちょうどハロウィーン期間に当たり、ハロウィーンを体験する機会に恵まれてこれを知った。訪問した小学校で子どもたちが、カボチャで仮装したり、実際に「Trick or treat!」と叫びながら家庭を何軒か訪問してお小遣いをもらうのに同行したことがある。その時同行した視察団の先生らも誰一人としてハロウィーンをまだ知らなかった。それが今では、渋谷を中心に広く、特に市街地でお祭り騒ぎとなっている。

 その起原は、2000年以上も遡る古代ケルト人の宗教が、キリスト教文化に吸収され10月31日の「万聖節前夜祭」だけが、アイルランドからアメリカに渡り、宗教色が薄まった形で子どものお祭りとして伝えられている。アメリカのハロウィーンは、渋谷の行き過ぎた路上飲食や、トラックを倒すような暴力行為とは、まったく別物である。渋谷のハロウィーンは、主催者もおらず、自然発生的に拡大したようだが、本来の「ケルト人の宗教」「子どものためのお祭り」からかなり脱線してしまった。もう少し周囲に迷惑をかけない形で個々に楽しまれるようになって欲しいものである。

 テレビ・ニュースで渋谷のスクランブル交差点の様子が度々伝えられているが、そこかしこに「渋谷はハロウィーンイベント会場ではありません」とか、「ハロウィーンの渋谷は、ゴミ箱でも、ナンパ場でも、灰皿でもありません」の横断幕や、立て看板が掲げられている。外国人観光客も一緒に写真を撮ることが多くなった、渋谷の象徴でもある「ハチ公像」の周囲も板塀が取り巻くようにして隠された光景は、何か心寂しいような気がする。
 一方、関西地方では、今日から始まるプロ野球日本シリーズで、18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガースと、3年連続パ・リーグ優勝チームのオリックス・バッファローズの関西対決が大分盛り上がっているようだ。何せ関西チーム同士の日本シリーズは、1964年の阪神タイガース対南海ホークス戦以来というから、実に59年ぶりである。その時は4勝3敗で南海が日本シリーズを制覇したが、幸か不幸か7回戦当日が東京オリンピック開会式にぶつかり、優勝を賭けた大一番であったにも拘らず、観客は1万5千人程度しか入らなかったという。さあて、今年は阪神が当時のリベンジを果たし、甲子園を満席にすることが出来るだろうか。

2023年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com