5907.2023年10月24日(火) 物足りない岸田首相と林真理子日大理事長の言動

 昨日臨時国会開会冒頭に岸田文雄首相が来年度の施政方針演説を行った。このところ首相の言動についていろいろコメントや批判が飛び交っている。メディアでは今日も首相の演説に皮肉を交えた取り上げ方をしていた。首相の頭の中にあるのは、変化の流れを絶対に逃がさず、経済に力を注ぎ込むとの気持ちを露わにし、演説中「経済!経済!経済!」と絶叫するように力を込めて訴えていたが、「経済」という言葉が29回も発せられたとか、「変化の流れ」の言葉尻を捉えて、「変化の流れ」が13回使われたとの皮肉っぽい取り上げられ方をされた。

 首相は、経済に重点を置いて変革を強く進める「供給力の強化」と、不安定な足元を固め、物価高を乗り越える「国民への還元」の2つを「車の両輪」として総合経済対策をとりまとめ、実行すると強調した。しかし、これでは支出が増えるばかりである。

 実は、首相の本心は、すでに決めたアメリカ政府の要請による防衛費の大幅増額であり、それに伴う増税で、それが国民への負担となることから税収が若干増えたので運用し、その一部を国民に還元することで国民を納得させようと考えたのである。これによって防衛費増額への不満を和らげようとの腹である。しかし、気になるのは、歴代首相がいつも念仏を唱えるように口にする「健全財政」への気持ちがまったく感じられないことである。毎年借金予算を組み、借金が雪だるま式に増えていく現状を是正しようとの姿勢が一向に見られないことである。

 現状からすれば、税収増は財政均衡へのステップとして、先ず国家の借金を返すことを考えるべきであり、防衛費増額を取り止めるか、大幅に減額して、その分で給付金を支給することが最も理にかなっている。さすれば低所得世帯は救われるだろう。尤もそれでは自民党支持者には、反対されるだろうが・・・。

 自民党としては、一昨日投票日だった衆議院長崎地区と参議院四国の補選で、2人の当選を狙った。しかし、これは1勝1敗に終わり、自民ムードを盛り上げたうえで、考えていた解散総選挙を行うというわけには行かなくなった。不人気の岸田首相としては、これから支持率の回復を図りながら「経済」政策を断行しなければならない。どんな手を打つのだろうか。

 さて、懸念されていた日本大学への今年度の私学助成金は不交付と決まった。3年連続で交付されない。3年前には全国の大学で2番目に多い約90億円が交付されたので、3年間も不交付だとすると日大としては全般的に財政が苦しくなる。不交付の理由としては、「ガバナンス体制について改善が見られず、機能不全に陥っている」と不名誉な言葉が付された。実際外へ漏れた日大理事会内部のやりとりや内輪もめも、大麻事件に対応していた澤田副学長が、大麻所持のアメフト部部員が他にもいるにも拘らず警察に届けず、その事実を林理事長らに伝えていなかったコミュニケーションの欠如によるものだと指摘されている。そのあおりで澤田副学長は林理事長から解任を求められている。

 不祥事を起こした田中英壽前理事長による独裁体制から、心機一転外部からOGの林真理子氏を理事長として招いたが、一向に改善されず、執行部内でも意見の対立が甚だしいらしくコミュニケーションが不十分なようだ。これには文部科学省も呆れたのではないか。現状が改善されないとすれば、今年に留まらず来年以降も日大に私学助成金が交付されるという保証はない。

2023年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com