5906.2023年10月23日(月) アメリカ大統領選で「老人対被告」再戦か。

 イスラエルの緊急事態にバイデン米大統領がテルアビブ入りして、ネタニヤフ・イスラエル首相と会談した。訪問の大きな目的は、国際社会が民間人の犠牲者が拡大する中で警戒を深めており、同盟国のイスラエルとの連帯を強調し人道問題で失敗すれば、その矛先がアメリカ自身に向けられることを懸念してイスラエルに自制を求めることだった。だが、当初予定していたパレスチナ暫定自治区のアッバス議長や、エジプトのシシ大統領との会談は行われず、バイデン大統領はとんぼ返りで帰米した。それには、来月81歳になる大統領にとっては、慌ただしい行程で長く滞在することは高齢者にとってタフ過ぎるからである。

 実は、来年行われるアメリカ大統領選で立候補を予想されている人物が、あまりにも高齢であることにアメリカ国民も憂慮している。現在有力視されているのは、民主党から来月81歳になるバイデン現大統領、共和党からは77歳のトランプ前大統領である。このままでは4年前と同じである。バイデン大統領の言動は、年齢以上に老けた感じがする。言葉に迫力も勢いもないし、歩き方ものろのろして危なっかしい。一方のトランプ氏も2年前の連邦議会襲撃事件を始め、起訴事件をいくつも抱え大統領選前には更に起訴される可能性が高い。

 これら候補者の高齢と老害に民主主義国家を謳うアメリカ国民も流石にイライラしているようだ。バイデン氏に対しては、有権者の77%が年齢を取り過ぎていると考えている。とりわけ民主党支持者でさえ69%が高齢過ぎると受け止めている。共和党支持者に至っては、その89%がそう捉えている。月刊誌「選択」10月号の「米大統領選で『新星』は現れないのか」の見出し記事には、「不安だらけの『老人VS被告』再戦」の副題が付いている有様である。世論が懸念しているのは、仮にバイデン氏が大統領に再選された場合、史上最年長の大統領となり、86歳まで大統領の激職に耐えることが出来るかということである。身体が億劫なせいか、バイデン大統領は今でもメディアとの接触を避ける傾向があり、質問に対しても「YES」か、「NO」と簡単に応え勝ちだそうである。

 半年前にはフロリダ州の共和党候補者として45歳のデサンティス知事の人気が高かったが、今ではトランプ氏に大きく水を空けられている。ケネディとニクソンが争った時は、ともに40台前半で若々しく、いかにもアメリカらしいエネルギッシュな空気が感じられたが、今ではアメリカ政界は老人天国となってしまった。ロシアのプーチン大統領は71歳、習近平国家主席は70歳と世界の大物政治家は、後期高齢者ばかりになってしまった。世界の政治が変化に対応出来ず行き詰まるわけである。

 他方、老人大国の日本の政治家も彼らに負けず劣らず年齢では負けない。平均年齢は衆議院55.5歳、参議院54.4歳と一般企業社員の平均年齢43歳に比べてかなりお年を召している。さらに、所属する政党内で長老が幅を利かせていることが問題である。そんな時に一昨日、菅直人元首相が次回総選挙で政界を引退すると公表した。現在喜寿77歳である。最近健康悪化を理由に衆議院議長を辞めた細田博之議員は、菅氏より2歳も年長であるが、次回の総選挙には立候補するというから相変わらず権力志向が強いのだろう。現在衆参両議院を合わせて713人が在職しているが、その内80歳以上は9人で、私より若いが、最年長の二階俊博氏、麻生太郎氏、小沢一郎氏らを筆頭に彼らは政治をわがもの顔に利用して引退しそうもない。日本のみならず、世界は老人によって支配、運営されるようになりつつあるようだ。

2023年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com