駒沢大学公開講座の菱山郁朗講師の講義の中で30分ばかり時間をいただき、世界遺産について話をする機会をいただいた。パワーポイントのスライドも20~30分用に編集し、レジュメも書いて授業より早めに大学事務局へ出かけ担当の宮本女史にUSBを手渡し、さあテストと思いきや、中々画面が表れない。こんなことは初めてと言ってもいい。宮本さんのPCが思うように機能しないのだ。何が原因なのかさっぱり見当がつかない。いくらトライしてもダメなうえに、時間が迫ってくるので、タクシーを捕まえて自宅まで帰り私のノートPCを持って、再びタクシーで舞い戻ってどうやら事なきを得た。宮本さんのPCが何故うまく機能しなかったのか、分らないままだった。
菱山講師の講義に引き続き、短い時間だったが世界遺産のさわりと、アブ・シンベル神殿及びチチェン・イッツァの天文学の知恵、さらに新・旧世界7不思議などについて駆け足で説明した。普通1時間半から2時間かけて講義するところだが、いかんせん時間が足りなさ過ぎた。それでも受講している皆さんは熱心に耳を傾けて下さり、張り合いのある講義となった。世界7不思議については、皆さん旧世界7不思議は聞いて知っているようだが案外細かくはご存知ない。だが、新世界7不思議の7史跡はすべて世界遺産にも登録されているほど価値の高いものだ。少しでも関心を持ってもらえれば嬉しい。
さて、今日は日米で財政、予算に絡む大きな動きがあった。日本では安倍首相が正式に来年4月から3%の消費税アップを実施すると発表した。このところ値上げと平行して国民に還元する特例措置が考えられると予想されていたが、その主たる対象は法人だった。その最たるものは、来年度までの復興特別法人税の1年間の前倒しだ。庶民にとっては住宅所得者を対象に最大30万円の現金給付と、低所得者に対して最大1万5千円の現金を支給するが、減税、財政支出を合せて5兆円規模だが、一般国民への還元はごく限られている。
しかし、当初消費税値上げ分は、年々増えていく社会保障関係費に充てるためと言っていたにも拘らず、社会保障費にどの程度充当させるのかはっきり説明がなかったように思う。漸く今朝の朝日新聞に概略が説明されていた。また、安倍首相が夜のNHKニュースの中で話していた。初年度は5兆円増収となる。そのうち3兆円は基礎年金の財源不足を補うことになり、1.5兆円は高齢化で自然に医療・介護費などが膨らむ分に充てられる。5千億円は、社会保障の水準を上げるために、保育の受け皿充実、低所得者の国民健康保険料軽減、医療提供体制の改革などに使われるということが明らかになった。
一方、アメリカではどうか。新年度がスタートしたが、オバマ政権による暫定予算案が野党共和党によって否決され、予算の不成立による一部の政府機関の閉鎖期限を迎えた。これにより国民生活に必要不可欠な業務を除き、連邦政府の多くの機関が閉鎖対象となり、連邦政府職員200万人のうち、80万人が一時帰休を強いられることになった。
1996年度にクリントン政権の下でも同じようなケースがあったが、予算の仮払いでもやっていずれ予算案が通過してから精算すれば良さそうなのに、強引なことをやるものだ。これで国民生活にも支障が生まれる。とても日本では考えられない。これにより国が管理する国立公園や、博物館が一時的に閉鎖される。このためヨセミテやグランド・キャニオンなどの観光地も影響を受けるし、ワシントンのスミソニアン博物館もトバッチリを受ける。日本の観光業者もアメリカ観光の修正を余儀なくされる。
景気が持ち直し、住宅需要が戻って来ているアメリカだが、どうも本格的には経済が復活していないようだ。