5899.2023年10月16日(月) 辞めない高齢の国会議員に定年制を

 13日の細田博之・衆議院議長の辞任の記者会見について、一昨日の本ブログでも「衆議院議長史上最低、最悪の議長」として取り上げたが、体調不良の中で、議長は辞職しても一議員として今後も活動していくとの主張は、メディアでもネットでも非難され、その対応ぶりが厳しく批判されている。

 記者会見に登場した時の細田氏の足取りの覚束なさや、聞き取れないか細い声に、記者から何を言っているのか分からないとの声もあり、質問もよく理解出来ていないのではないかと厳しい指摘もあった。

 そこで出てきたのが、議員にも定年制が必要であるとの声だった。実は、議員定年制については、ちょうど20年前に小泉純一郎首相が「衆議院比例代表では、73歳以上は公認しない」という内規を適用し、その内規によって宮沢喜一氏と中曽根康弘氏も政界から引退せざるを得なくなった。公明党内には、任期中に69歳、或いは在職24年を超える場合は公認しないとの内規がある。ところが、自民党では折角決めた内規を特例として容認するケースがあり、特例続出により内規も形骸化している。結果的に「73歳定年制」に抵触する国会議員は、衆議院40人、参議院20人、合わせて60人の高齢議員が在職している。その内43人が自民党議員である。内規を実践している公明党にはひとりもいない。

 細田前議長は、衆議院議員として留まるべく「私以外の人ができる仕事ではないと自負している」と尊大に語ったようだが、高齢議員には特にいつまで経っても「俺がやらなきゃ誰がやる」という自負と思いあがりが付きまとうようだ。

 世襲議員が多い自民党だが、高齢議員も圧倒的に多い。これでは元々自浄作用が働かないのも頷ける。「議員定年制」、「世襲制度制限」のいずれも一旦は実現の目が見えていたが、いずれも自分たちの権利擁護を優先して消滅してしまった。

 60人もいる高齢議員には、84歳の二階俊博・元自民党幹事長を筆頭に、83歳の麻生太郎・自民党副総裁、81歳の政治の壊し屋・小沢一郎ら、元実力者がずらりといる。彼らはそう簡単には政界から去らないだろう。

 結局いつまで待っても欲深い政治家にとってメリットがない「議員定年制」、「世襲制度制限」は実現しないのではないかと残念に思っている。日本相撲協会ですら、65歳の定年制を採用している。国会議員は、欲深さではお相撲さん以上ということだ。

 ところで、今日著名な歌手の訃報を知った。シンガーソングライターの谷村新司さんが亡くなった。数々の名曲を世に出した。3人グループ「アリス」のメンバーとして、♪昴♪、♪チャンピオン♪、♪冬の稲妻♪など数多くのヒット曲を生んだ。作曲家としても山口百恵さんに♪いい日旅立ち♪を提供し、JRのCMソングとして日本中に広く流行した。一時解散していた「アリス」を復活させようと、今年6月から再結成して全国ツアーを計画中の折、今年3月急性腸炎が判明、入院中だった先週亡くなった。さだまさしが、谷村新司と松山千春、そして自身を含めてフォーク界御三家と呼んだ。各界からその死を惜しまれている。実に惜しい人を喪った。享年74歳だった。ご冥福をお祈りしたい。

2023年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com