5898.2023年10月15日(日) 大企業社名変更とパリ五輪マラソン代表内定

 アメリカの起業家で、経営者としても一世を風靡した感のあるイーロン・マスク氏が、今年ツィッター社を買収するや、直ちに社名を「ツィッター」社から「X」社に変えて世界中に大きな衝撃を与えた。広く会社名や、商品名が行き渡っているにも関わらず、敢えてマイナス面も含んだうえで名前を変更することには、かなりの決断と拘りがあったことと思う。

 少し歴史を遡ってみると、日本では、松下電機産業㈱がパナソニック㈱に変えたのが、当時は随分印象的だったが、これは商品名を社名にしたので事業実態としては変わらず、反ってすっきりしたとの声も聞かれたくらいである。最近では2018年に旭硝子㈱が社名をAGC㈱に変更した例がある。日本板硝子㈱と並び大手ガラスメーカーだったが、商品名ロゴを世界的な統一ブランドとして定着させるためにロゴを社名に変えた。2002年には、大手鉄鋼メーカーの日本鋼管㈱と川崎製鉄㈱が合併して発足したJFEホールディングス㈱などの合併による社名変更の例がある。

 そんな時に、先日の新聞報道で創業140年の老舗企業が、社名を変更するというのには些か驚いた。元々大阪で造船業を立ち上げた会社だったが、80年前に日立製作所の傘下に入り、社名を日立造船として発展し造船のトップ企業として君臨していた。しかし、戦後の財閥解体で日立グループから離脱し、2002年には造船業を切り離し、社名は造船会社をイメージさせるが、むしろその実態は国内最大のごみ焼却施設の建設会社となっていた。ただ、少々気になるのは、その新社名が「カナデビア」という何を意味するのか全く分からない社名である。800もの数多くの候補から最終的に決まったのが、想像もつかない社名のいきさつである。社内からは日立造船の長い歴史をどう考えているのかなどと困惑の声も聞かれたという。新社名は、オーケストラが「奏でる」ようにビア(VIA・ラテン語の「道」)を切りひらいていくことを意味する「カナデビア」という、和洋折衷の造語である。関係者はこの名に慣れるまでは大分戸惑うのではないだろうか。

 いずれにせよ「名は体を表す」と言われるように、営業実態が外部に正しく伝わることが重要であるので、新社名を広く知らせるためにはOBも含めた全社員の努力と協力が不可避であると思う。

 さて、今朝都内はかなり激しい雨が降って肌寒かったが、この最中に来年のパリ・オリンピックのマラソン代表を決めるマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)が、国立競技場発着で行われ、1、2位が代表に内定し、3位は選考対象となった。スタート時はテレビで観戦していたが、ほとんど観ることはなかった。結果的に先に行われた男子レースには、61人が出走したが、日本記録を持つ鈴木健吾選手が途中棄権した。しかし、優花夫人が女子レースで夫の声援を受けながら見事に優勝し、2位には一山真緒選手が入り、ともに代表入りを内定した。

 男子代表には、これまで名前を知らなかった小山直城、赤崎暁両選手が1、2位に入り内定した。3位には、元日本記録保持者の大迫傑選手が入った。激しい雨が降る寒い中で走る選手たちを見て、彼らが健康を害さないか気になった。難しい問題はあるだろうが、日時を変更して行うことは出来なかっただろうか。今後検討すべきだと思う。

2023年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com