5895.2023年10月12日(木) 暗い事件頻発に気晴らしスポーツ中継観戦

 世界中の今夏の熱暑についてグテーレス国連事務総長が、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」とお手上げの発言をした。ところが、今世界中は熱が冷めるどころか、益々熱くなっている。それには戦争勃発の影響がある。

 ウクライナ戦争に続いて、中東ではイスラエルとパレスチナ・イスラム組織ハマスとの間で、連日戦火が加速している。2014年にイスラエル軍がパレスチナ自治区に大規模な攻撃を行い、パレスチナでは2,200人の犠牲者を出したが、その7割は民間人で、500人は子どもだった。一方のイスラエルでは、ハマスによるロケット弾被弾により市民の犠牲者は4人だった。それが、今回は昨日時点でパレスチナ・ガザ地区の犠牲者が1,000人とされているのに対して、イスラエル側にはガザ地区より多くの1,200人を超える犠牲者が生まれた。その上ハマスがイスラエル側の市民を人質として捕らえて、攻撃の生贄にしようとしていることに、イスラエルの憎しみが余計に募っているようだ。

 この事態に対してアメリカは、イスラエルへの支援を強化すると公表したが、EU諸国内では各国がその対応を巡って意見が対立している。そしてこの間にもウクライナでは、ロシア軍との戦闘が激しくなる一方である。

 イスラエルは今度こそ徹底的に報復する考えのようだ。一方、人口密集地域のガザでは、空爆とイスラエルによる地域の完全封鎖により市民は極限の生活を強いられ、多くの人が最早死を覚悟しているというから悲惨である。これから事態はどういう方向へ向かうのか予測がつかない。第3次中東戦争以降半世紀以上も前からイスラエルをはじめ、周囲のアラブ諸国レバノン、ヨルダン、エジプトを旅して少しは彼らの生活を見ているだけに、彼らの生活を想うと忍び難いものがある。

 概して日本人には、中東問題は歴史的、宗教的、民族的にも中々理解し難いところがあり、気持ちのうえで現実から大分遠いところで幻想的に見ている傾向がある。6年前にアウシュビッツ強制収容所を訪れた時の印象を「戦争は地獄である。戦争を続けているようではここ(アウシュビッツ)で命を落とした無実の人が浮かばれない」と書いて某紙に寄稿したが、今の憎しみ合った戦いぶりを考えるとイスラエル、ハマス両者ともに戦時中のネオ・ナチが冒した行為と寸分変わらないのではないだろうか。

 さて、一転国内の明るい話題を取り上げてみよう。昨日将棋の藤井聡太8冠が誕生したことが、今日の朝刊と夕刊の一面トップに大きく取り上げられている。近所に住む羽生善治9段が、7冠を獲得して当時全タイトルを独り占めした時期があったが、今や無冠の帝王となった。いずれ藤井8冠も厳しい試練を味わうこともあるだろうが、まだ21歳の若さだけに当分「藤井時代」が続くのではないだろうか。


 もうひとつ、スポーツのテレビ観戦が盛り上がったようだ。先週1週間(10/2~8)のテレビ視聴率で上位10傑の内、6つのスポーツ中継が上位を占めた。こんなことは、あまり例がないのではないか。朝ドラ「ブギウギ」が始まったばかりで、前回の「らんまん」の視聴率を上回ったそうだが、それをダントツ視聴率21.5%を獲得した生中継、ラグビーW杯で日本が2大会連続予選突破を賭けた対アルゼンチン戦には、とても太刀打ち出来なかった。以下3位アジア大会男子サッカー決勝、5位男子バレーW杯対スロベニア戦、6位アジア大会女子サッカー決勝、8位男子バレーW杯対アメリカ戦、同8位男子バレーW杯対セルビア選、という具合にすべて注目を集めた試合である。

 これには、国内に鈴木宗男議員のロシア訪問・党除名、全国銀行協会ネットワーク障害、埼玉県自民党県議団の「子ども放置禁止」条例案の撤回、などお粗末な事例が相次いで起きたので、せめてスポーツ観戦でもして気晴らしをしたいとの気持ちが国民の間にあったのだろう。

2023年10月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com