5875.2023年9月22日(金) エマニエル駐日アメリカ大使の暴言

 エマニエル駐日大使の中国を挑発するようなX(旧ツィッター)への投稿が中国を怒らせ物議を醸している。同大使は着任時から普通の外交官とは異なり、鉄道好きでしばしば都内で電車に乗ったり、ランチは必ず誰かと一緒に取るなど、庶民的なのである。だが、今回の中国批判には、中国の外相や国防相が着任間もないのにこの数か月内に消息不明になった疑念にズバリ直言している。外相の消息についてはアガサ・クリスティの小説「そして誰もいなくなった」に例えて、その登場人物のようだと皮肉たっぷりに発信し、国防相については、シェークスピアの「ハムレット」の一節を引用して「何かが怪しい」と発信した。

 ところが、現在バイデン政権は、11月にアメリカで米中首脳会談を実施することを検討し、対立が激しくなった米中間の緊張緩和を図ろうとしている。このタイミングの悪さにバイデン政権は、このエマニエル大使の中国に対する行き過ぎた投稿に困惑し、東アジアにおけるアメリカの取り組みに反していると大使に苦言を呈した。

 アメリカの駐日大使には安政5年に着任した初代弁理行使タウンゼント・ハリス氏からエマニエル現大使まで31人が日本に駐在した。これまで様々な人物が赴任して来たが、60年安保闘争当時にはライシャワー大使、先々代大使にはJ.Fケネディ大統領長女のキャロライン・ケネディ大使らが日本人にとっては印象が強い。

 だが、ウイリアム・ハガティ前大使のように、エマニエル大使同様にやや物議を醸す発言が多かった大使もいた。例えば、大使在任中にトランプ大統領の下で上院選に立候補するため中途で大使を辞任した。そして、日本にとって聞き捨てならない発言までしている。

 日本が未だアメリカの占領下にあるような傲慢な発言だったので、私もとても納得出来ず、2021年11月29日付ブログに「アメリカのお節介と置き土産」としてハガティ発言を取り上げた。するとこのブログに多くのアクセスが寄せられ、Googleの報告では、私が過去16年余に亘って毎日書き続け5千8百回ほどに達したブログの中でも、この日のブログは3番目にアクセスが多かった。多くの人がハガティ発言を批判した私のブログに納得し賛意を示してくれたものと理解している。日本人にとってハガティ発言は、許しがたいと受け止めてもらえたのではないかと思っている。

 ハガティ発言は、最近の中国の動向から推して日本の軍事的貢献が不可欠と訴え、アメリカはGDP比3.5%以上を軍事費に充てているが、日本でもせめてGDP比2%にまで引き上げるべきだと主張したものである。まったく大きなお世話である。日本の国情と日本人をよく理解して当然の駐日大使が、日本の憲法がまるで分っていないうえに、日本の財政にまで口出ししている。こんな人物がよくぞ大使になれたものである。人の好き嫌いと一時的な思いつきだけで大役を任命するトランプ人事の典型である。エマニエル現大使もいつ口撃の矛先を日本に向けるか分からない。警戒すべき人物である。

2023年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com